<3201> 大和の花 (1128) アギナシ (顎無) オモダカ科 オモダカ属
水質地に生えるオモダカ(面高)の仲間の多年草で、草丈が30センチから80センチほどになる。オモダカは長い葉柄につく葉を人面に見立てたのに対し、アギナシ(顎無)は若い葉の基部が裂けないのを人間の顎(あご)に見立てたことによるようである。
よく似るオモダカとの相違点は、オモダカが地中に匐枝を出すのに対し、本種は出さず、葉柄の基部の内側に多数の珠芽をつけること。また、基部が2つに裂ける矢じり形の葉が本種では下部の裂片2個の方が頂裂片よりやや短く、裂片の先が丸みを帯びる特徴があること。
花期は6月から10月ごろで、長い花茎の上部の節ごとに3個ずつ直径2センチほどの白い3弁花を輪生状につける。普通、オモダカより花茎が長く伸び出し、葉よりかなり高い位置に花をつけるが、外見では判別が難しいと言われるところがある。
北海道、本州、四国、九州に分布し、国外では朝鮮半島に見られるという。大和(奈良県)では自生地の減少が著しく進み、個体数も少ないため、レッドリストの絶滅寸前種にあげられている。 写真は8月中ごろ撮影したもので、葉の形状と花のつき方によりアギナシと見たが、珠芽の確認は出来ていない。 秋雨へ雀羽ばたき飛び出せり
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