<3510> 奈良県のレッドデータブックの花たち(101) クモキリソウ(雲切草) ラン科
[学名] Liparis kumokiri
[奈良県のカテゴリー] 希少種(旧無指定)
[特徴] 林内や林縁に生える多年草で、ラン科特有の偽球茎がある。葉は長さが10センチ前後の広卵形で、2個が対生状に茎を抱いてつく。花期は6~8月で、高さが10~20センチの直立する花茎の上部に5~15個の花をつける。花は萼片、側花弁、唇弁、雌雄の蕊などからなり、緑白色から暗褐色で変化が見られる。同属のジガバチソウ(似我蜂草)に似るが、クモキリソウでは唇弁が反り返って外側に巻く特徴がある。
[分布] 北海道、本州、四国、琉球列島。国外では南千島、朝鮮半島。
[県内分布] 奈良市、宇陀市、御杖村、吉野町、川上村、上北山村、天川村、十津川村、野迫川村。
[記事] クモキリソウ(雲切草)の名は一説に「花が蜘蛛の子を散らしたように見え、これを蜘蛛散り草と言い、これが雲散り草となり、訛って雲切草になった」という。大和地方では自生地が点在し、多いものの個体数が少なく、レッドデータブックは、園芸用採取や植生の遷移による環境の変化などで減少し、希少になったとしている。 写真はクモキリソウと花序のアップ(天川村)。
草木の花々は
開いてなんぼ
窄んでなんぼ
稔ってなんぼ
ああ天地の間