大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2020年07月01日 | 植物

<3092>  大和の花  (1064) ヤブガラシ (薮枯らし)                              ブドウ科 ヤブガラシ属

             

 山野のそこここに見られるつる性の多年草で、地下茎は横に這い、地上茎は先が二股の巻ひげになって他物に絡み、2、3メートルに伸びる。根強い地下茎により繁茂して薮を枯らすほど旺盛なためこの名がある。別名のビンボウカズラ(貧乏葛)は屋敷の植え込みなどに入り込むといかにもみすぼらしく見えるためと言われる。

 葉は卵形乃至は狹卵形の小葉5個からなる複葉で、鳥足状に互生する。小葉は不揃いで、頂小葉が大きく、4センチから8センチになる。花期は7月から8月ごろで、葉腋より花序を出し、直径5ミリほどの小さな花を多数つける。花は淡緑色の4弁花で、上向きに開くが、花弁はすぐに脱落し、淡紅色の花盤が現われ、よく目につく。

 北海道南部、本州、四国、九州、南西諸島などに分布し、国外では東アジアから東南アジアの一帯に見られるという。大和(奈良県)では各地で普通に見られる。漢名は烏蘞苺(うれんぼ)で、漢方の生薬名としても知られ、根を利尿、解熱、鎮痛の薬用にする。また、若葉は茹でて水に晒し食用にする。 写真はヤブガラシの花。花の蜜を求めてキリギリスなどの虫がよく訪れる。

  藪枯らし雑草仕切りゐるごとし

 


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