<3743> 奈良県のレッドデータブックの花たち(204) ノヤマトンボ(野山蜻蛉) ラン科
[別名] オオバノトンボソウ(大葉蜻蛉草)
[学名] Platanthera minor var. minor
[奈良県のカテゴリー] 希少種
[特徴] 丘陵地や山地の疎林内などに生える多年草で、根は紡錘状に肥厚し、茎は高さが30~60センチ。直立して翼状の稜がある。単子葉の葉は下部の2、3個が大きく、上部のものほど小さくなり、最下部の葉は長さが7~12センチの長楕円形乃至狹長楕円形で、中脈と主な側脈が裏面に隆起する。また、葉には柄がなく、茎に流れて稜に繋がり、互生する。
花期は6~7月で、茎の上部から茎頂にかけて黄緑色の小さな花を多数つける。花は背萼片と左右の側花弁、下方の唇弁、花の後に垂れる距からなり、背萼片と左右の側花弁は重なって兜状になる。距は1.2~1.5センチで、花柄の子房部分よりも長い特徴がある。
[分布] 本州、四国、九州。国外では朝鮮半島、中国東南部、台湾。
[県内分布] 奈良市、生駒市、桜井市、宇陀市、御所市、五條市、山添村、川上村、天川村、上北山村、下北山村、十津川村。
[記事] 野山に見え、花がトンボに似ることによりこの名がある。別名のオオバノトンボソウは葉が同属のトンボソウより大きいことによる。大和地方(奈良県域)ではほぼ片寄りなく見られるが、レッドデータブックは「里山の荒廃や開発のため、近年減少している」としている。 写真は疎林内に姿を見せる花期のノヤマトンボ(左)と花のアップ(右・茎に稜があり、花には花柄の子房よりも長い距が見える)。
これまでやって来た
花の撮影行は
経験にほかならず
その経験で得た
花の写真記録は
経験の結果であり
経験の産物である
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