<2957> 大和の花 (1000) ニワゼキショウ (庭石菖) アヤメ科 ニワゼキショウ属
北アメリカ原産の多年草で、明治時代の中ごろ渡来し、庭などに植えられたものが逸出し、各地で野生化している帰化植物である。日当たりのよい芝地や道端の草地に群生し、ニガナやシロツメグサなどと混生するのを見かける。草丈は10センチから20センチほどで、扁平な茎にはごく狭い翼がある。葉は幅が2、3ミリと細く、サトイモ科のセキショウに似るのでこの名がある。
花期は5月から6月ごろで、茎の先に細い花柄を立て、直径2、3ミリになる小さな6花被片の花を開く。花の下部は短い筒形で、筒の基部には膨らんだ子房が見える。花被片は淡紫色から白色まで変化が見られ、濃紫色の条が入ることがほとんどで、中心部は黄色。蒴果の実は直径3ミリほどの球形で、熟すと下向きになり、裂開して種子を散らす。なお、ナンキンアヤメ(南京菖蒲)の別名がある。 写真はニワゼキショウ。左から群生して一面に咲く花(橿原市の藤原宮跡)、テントウムシが見える花、シラ花種。
ニワゼキショウにテントウムシ
テントウムシにニワゼキショウ
ともに営む一つの世界
五月なかばの昼下がり