<3020> 大和の花 (1031) サトザクラ (里桜) バラ科サ クラ属
サクラ類は植物分類学上、バラ科サクラ属に含まれ、サクラ属は(1)スモモ亜属、(2)モモ亜属、(3)ウメ亜属、(4)ニワウメ亜属、(5)サクラ亜属、(6)ウワミズザクラ亜属の普通6亜属に分けられ、所謂、サクラと認識されているものは(5)のサクラ亜属に属するものをいう。考え方や見方によって分類の仕方に違いがあるが、一説にサクラ亜属は次のように分類されている。
1、ヤマザクラ系(ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラなど)
2、オオシマザクラ系(オオシマザクラ)
3、ヒガンザクラ系(ヒガンザクラ、エドヒガンなど、シダレザクラもこの中に入る)
4、マメザクラ系(マメザクラ、タカネザクラ)
5、カンヒザクラ系(カンヒザクラ)
6、ミヤマザクラ系(ミヤマザクラ)
7、ソメイヨシノ系(ソメイヨシノ)
8、サトザクラ系(カンザン、フゲンゾウなど)
9、自然交配種系(チチブザクラ、オオミネザクラ、ニッコウザクラなど)
この中で、サトザクラは「野生種の突然変異品や自然交雑種、人為的に交配してつくられた種類のなかから選抜育成されたサクラの園芸品種を一般にサトザクラと呼んでいる」(『山渓ハンディ図鑑・樹に咲く花』という。品種の開発は古くから行われ、江戸時代後期のころから盛んで、200種以上の品種に及んでいると言われる。
オオシマザクラの影響が最も大きく、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ(ケヤマザクラ)、エドヒガン、マメザクラ、チョウジザクラ、カンヒザクラなどが複雑に関係して多彩に及び、中でもよく知られるのはフゲンゾウ(普賢象)、カンザン(関山)、イチヨウ(一葉)、ウコン(鬱金)、ギョイコウ(御衣黄)、ヨウキヒ(楊貴妃)など。普通のサクラより花期が遅く、4月半ばころに開花し、八重咲きのものがほとんどを占めている。
写真はサトザクラ系の品種。左からカンザン、ウコン、フゲンゾウ。なお、サトザクラで馴染み深く、よく知られているのは大阪造幣局の通り抜けであるが、今年(2020年)は新型コロナウイルスの影響により中止になった。
花に人 人に花なる花見かな
花人花人花人の通り抜け
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