<3270> 写俳百句 (29) 師走寒波の一景
尉鶲ふくれて師走寒波かな
ジョウビタキのメスがすっかり葉を落とし裸木になったウメの木にとまって体をまんまるにしているを見かけた。寒さが厳しくなると小鳥たちはこの体形になる。ジョウビタキも同じで、なぜ寒いと丸くなるのだろうと思う。丸まって毛の中に空気の層を作り、その空気の層によって外の寒さを遮断するのかも知れない。そうなのだろうか。そんなことを思い巡らせいていたら、飛び立ち、先の枝に移った。飛ぶときは普通の体形に戻っている。
細く痩せて見えるより丸く膨らんで見える方が見ている側には気分が和む。目は厳しい寒さの中でも変わらず、円らで可愛らしい。ときに訝しげにこちらを見ることがあるが、円らな目はやはり可愛らしい。ジョウビタキ(尉鶲)はヒタキ(鶲)の一種で秋の季語であるが、私には底冷えの日の庭に訪れる師走の鳥。その印象が強い。 写真は寒さに膨れ上がるジョウビタキのメス。
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