<3100> 大和の花 (1070) オオルリソウ (大瑠璃草) ムラサキ科 オオルリソウ属
山地の草地や荒地に生える2年草(越年草)で、オニルリソウに似るが、茎に下向きの短い毛が見られる。茎は上部で枝分かれして、高さが60センチから90センチほどになる。葉は10センチから20センチの長楕円状披針形に近く、オニルリソウに似るが、やや厚みがあり、短毛が多い。
花期は7月から8月ごろで、3股に分かれることが多い枝先に長い総状花序を斜上し、直径4、5ミリの小さな瑠璃色(淡青色)の花をまばらにつけ、花序の下側から順に開花する。花冠は5裂し、裂片の基部には付属体が見られる。オニルリソウより花はやや大きく、小花柄は逆に短く、1、2ミリで、上向きの毛が密生する。実は分果し、分果には鉤状の刺を有する剛毛が密生し、これで動物などに付着して種子の散布がなされる。
本州の関東地方(栃木県)以西、四国、九州、沖縄に分布し、国外では朝鮮半島、中国、台湾をはじめ、アジアの一帯に広く見られるという。 写真はオオルリソウ。道端で花を咲かせる群落(左・十津川村)、花序のアップ(中)、花のアップ(右)。
梅雨末期日本列島水受難
<3101> 大和の花 (1071) オニルリソウ (鬼瑠璃草) ムラサキ科 オオルリソウ属
山地の草地や道端に生える2年草(越年草)で、粗い開出毛が見られる茎が上部で枝分かれして斜上し、草丈が40センチから80センチほどになる。オオルリソウに酷似するが、全体的にやや貧弱な感じがある。葉は長さが10センチから20センチの長楕円状披針形で、先は鈍く尖り、基部はくさび形。無柄か短柄で、互生し、オオルリソウより葉の質が薄い。
花期は7月から8月ごろで、枝先に花がまばらにつく長い総状花序を斜上し、下側から順に開花する。瑠璃色(淡青色)の花冠は直径4、5ミリで、5裂し、裂片の基部には付属体が見られる。花はオオルリソウより小さく、数も少ない。小花柄はオオルリソウより長い。実は4分果し、分果はほぼ球形で、表面に鉤状の刺を有する剛毛が密生し、これで野生の動物などに付着して散布を広げる。
北海道、本州、四国、九州に分布し、朝鮮半島に見られるという。大和(奈良県)では、山地の草地でときおり見かける。 写真は十津川村旭の釈迦ヶ岳登山道、標高約1600メートルの古田の森付近。7月中旬のことで、花には赤とんぼが見られた。
鬼とはねえ鬼瑠璃草の鬼の花
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