<3460> 奈良県のレッドデータブックの花たち(76) カワラハハコ(河原母子) キク科
[学名] Anaphalis margaritacea subsp. yedoensis
[奈良県のカテゴリー] 絶滅寸前種(旧絶滅危惧種)
[特徴] 河原や河川敷などに生える多年草で、茎の下部でよく分枝し、こんもりとまるまった株をつくり、高さが30~50センチになる。地下茎が伸びて繁殖し、群落をつくることが多く、濁流に洗われるようなところにも生え出すことがある。葉は長さが3~6センチの線形で、縁が裏面に巻き気味になる特徴がある。全体に細毛が生え、白っぽく見る。
ヤマハハコ(山母子)の変種とされる雌雄異株で、花期は8~10月。上部の枝先に頭状花序を多数つける。頭花は総苞片が5~6列に並んで囲み、白色の乾いた膜質で花弁のように見える。実際の花はその内側の黄色の部分で、雄花序では両性花、雌花序では雌花がおもにつく。両性花は結実しないと言われる。
[分布] 日本の固有亜種。北海道、本州、四国、九州。
[県内分布] 五條市南部、十津川村、下北山村。
[記事] カワラハハコ(河原母子)の名は河原に生えるハハコグサの意。十津川村に分布するものは、河川敷だけでなく、山地の切り通しの崖地に生える個体もある。それにしても、河川改修などで減少傾向にあり、レッドデータブックには一番厳しい段階としてあげられている。 写真は河川敷に生えるカワラハハコ(左)と切り通しの崖に生え出し花をつけた個体(右)。いずれも十津川村。
生きものは
どんな生きものも
知性と感性が
備わっている
多少はあっても
生きて行くのに
欠かせないから
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