<593> ワラビ採り
わらびとは なるほど藁火 もえ出づる
今日は奈良の若草山に登った。目的は歩くこと。そろそろ山の季節なので衰えた脚力を鍛える必要がある。で、今日は四時間ほど上下して足を鍛えた。鍛えたと言えば、格好よく聞こえるが、標高三〇〇メートルほどである。しかし、日ごろの行ないが祟り、疲れてしまった。
山頂付近ではワラビが多く見られ、みんな採っていたので私も二十分ほど採った。ワラビ採りが目的の人は大きな買物袋にいっぱい採っている。ワラビはどうもシカが食べないようで、シカの群の目と鼻の先に生え出しているが、シカは見向きもしない。
だが、この時期になると、ワラビをめがけて人がやって来る。ワラビにはえぐみをもって、シカへの対処を万全にしているのであろうが、人間さまは知恵があって、えぐみの効用は通用しない。えぐみはひつこいが、人間さまは簡単に取り除いて食べる。
ワラビには始末の悪い相手であるが、採られても直ぐに芽を出す強さが備わっていて、なくなることはない。だから、ワラビは毎年姿を見せる。左の写真は若草山の草原に生え出したワラビ。葉が出ているのは採る者の目を逃れたものたちである。右は私が収穫したワラビ。丈が短いのは毎日誰かが採りに来るからで、長く伸びる時間的な余裕がないからである。
これにはこのところ雨のないことも影響しているように思える。雨が降れば採りに来る者がないからワラビはその間に大きくなれる。立ち入り禁止の柵の中には長く伸び出し、すでに葉を形づくっているものも見られた。
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