<3432> 奈良県のレッドデータブックの花たち(62) カキラン(柿蘭) ラン科
[別名] スズラン(鈴蘭・つぼみの形による)
[学名] Epipactis thunbergii
[奈良県のカテゴリー] 絶滅危惧種
[特徴] 日当たりのよい湿地に生える多年草で、草丈は30~70センチ。葉は長さが10センチ前後の広線形から狹卵形で、7~8個が鞘状に茎を抱き、互生する。花期は6~8月で、茎の上部に黄褐色の花を10個ほどつける。花は長さが1.5センチほどの広鐘形で、横向きに開く。花弁は全体に厚く、唇弁は白色で、紅紫色の斑点が目立つ。カキラン(柿蘭)の名は花の柿色に因む。
[分布] 北海道、本州、四国、九州。国外では朝鮮半島、中国東北部、ウスリー地方。
[県内分布] 北部と南部地域。深山や高山には見られない。
[記事] 「人里近い手近な所にあり、用地開発や農地の整備のため生育地が失われることが多く、園芸用に採取されることも多い」ということで、大和地方では絶滅危惧種にあげられて久しい。私がこの花に初めて出会ったのは植物学者の牧野富太郎の調査研究で知られる広島県北部の八幡高原の湿原だった。そのときから私は野生の花の虜になった。カキランの花にはそんな思い出がある。 写真は柿色の花が魅力的なカキラン(曽爾高原のお亀池湿地)。
過去は記憶の
思い出の領域
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