<3147> 大和の花 (1098) オガルカヤ (雄刈萱) イネ科 オガルカヤ属
丘陵地や河川の土手などに生える多年草で、根茎は短く、地上茎は細く、平滑で硬く、無毛にして叢生し、高さが40センチから1メートルほどになる。葉は長さが15センチから40センチほどの線形で、縁がやや巻く。
花期は8月から11月ごろで、茎の上部に多数の花序をつける。花序は舟形の苞の先に2個の枝を左右に開き、小穂を数個ずつつける。実は長さが3ミリ前後の長楕円形で、褐色を帯びる。
カルカヤ(刈萱)は刈った草の意で、オガルカヤ(雄刈萱)はメガルカヤ(雌刈萱)に対してつけられた名で、別名のスズメカルカヤ(雀刈萱)は花序がスズメのとまっているように見えることによるという。
本州、四国、九州、沖縄に分布し、朝鮮半島、中国、台湾にも見られるという。大和(奈良県)では川岸や高原で見かける。 写真はオガルカヤ(細い茎が叢生する。右端の写真は果期)。 辟易の残暑も平気かキリギリス
<3148> 大和の花 (1099) メリケンカルカヤ (米利堅刈萱) イネ科 ウシグサ属
北アメリカ原産の多年草で、アジアやオーストラリアなどに広く帰化し、日本にも戦後渡来して現在は関東地方以西で野生化している。日当たりのよいところを好み、田畑の畦や道端などで群生するのを見かけるが、都市部でも見られ、屋根の上にも生えているのを見かけたことがある。
草丈は50センチから1メートルほどになり、茎は基部がやや扁平で、叢生する。葉は長さが3センチから20センチの線形。花期は9月から11月ごろで、葉腋に花序をつけ、2個から4個の小穂を散形状に出す。小穂は2花からなり、1花は不稔性で、柄だけがつく。稔性の1花には2センチから3センチの白毛が密生する。 写真は群生するメリケンカルカヤ(左)と長い白毛が輝く果期の姿(右)。 湧き上がる雲の峰々夏大和