<2900> 大和の花 (962) ノゲイトウ (野鶏頭) ヒユ科 ケイトウ属
熱帯アメリカ原産の1年草で、世界の熱帯から亜熱帯に分布し、温帯の一部にも自生すると言われる。日本には西日本の一帯に帰化し、大和(奈良県)でも休耕田や草地に野生化して見られる。茎は直立し、高さは大きいもので1メートルほどになる。葉は長さが5センチから8センチの披針形で、先が尖り、鋸歯はなく、基部はくさび形。短い柄があり、互生する。
花期は7月から10月ごろで、茎頂や枝先に淡紅白色、または白色の小さな花を多数穂状につける。花穂の長さは4センチから8センチ。花被片は5個。実は胞果。ノゲイトウ(野鶏頭)の名は野生のケイトウの意による。なお、若葉は食用とされ、種子は強壮薬にされる。 写真は休耕田の一面に生え出し、花を咲かせるノゲイトウ(左)、花序のアップ(中)、枯れ残った冬の姿(右)。 冬日差し葱の葉すっくと立ちにけり