<2891> 大和の花 (954) スズメウリ (雀瓜) ウリ科 スズメウリ属
原野、林縁、水辺などに生えるつる性の1年草で、巻きひげによって他物に絡み、細い茎を伸ばす。葉は長さが3センチから6センチの三角状心形で、ときに3浅裂する。縁には鋸歯があり、長い柄を有して互生する
雌雄同株で、花期は8月から9月ごろ、葉腋に柄のある1花をつけるが、枝先では雄花が総状花序につくこともある。実は直径1、2センチの球形乃至は広卵形で、熟すと灰白色になり、細く長い柄にぶら下がり、冬になっても葉を落とした茎とともに見られる。
本州、四国、九州に分布し、国外では韓国の済州島に見られるという。大和(奈良県)では各地で見られる。スズメウリ(雀瓜)の名はカラスウリに因むもので、実が小さいことによる。これはマメ科のカラノエンドウに対するスズメノエンドウに同等の発想で、これという効用はなく、雑草として見える。 写真はスズメウリの花と実(開いている花は雄花・斑鳩町)。 南門を潜り冬日の法隆寺
<2892> 大和の花 (955) アレチウリ (荒地瓜) ウリ科 アレチウリ属
北アメリカ原産のつる性1年草で、昭和27年(1952年)に静岡県の清水港で見つかり、その後全国的に広がった。大和(奈良県)では道端の草叢などを占拠して繁茂している様子が見て取れる。所謂、外来の帰化植物であるが、繁殖力が強く、他の植生への悪影響が懸念される特定外来生物に指定されている。
葉は円心形で、浅く5裂から7裂する。雌雄同株で、花期は8月から9月ごろ。葉腋から花序を出し、黄白色の花をまばらにつける。雌雄の花は別々の花序につき、雄花序は長さが10センチから15センチで雄花を集め、雌花序は短く、雌花が頭状につく。実は長卵形の液果で、数個が集まり、軟毛と刺毛が密生する。 写真はアレチウリ。左から群生して花を咲かせる花期の様子、雄花序に集まり咲く雄花、白い軟毛と刺毛が目立つ液果の実。 冬日差す築地明るき法隆寺