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大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2022年03月13日 | 創作

<3707> 写俳二百句(119) カワズザクラの花見

             これもよし河津桜の花の色

                     

 十三日の日曜日、大和地方は最高気温が二十三℃  と麗らかな一日になり、各地で人出が見られた。馬見丘陵公園では、春の花畑エリアで約二百本のカワズザクラが七、八分咲きになり、終日家族連れなどでにぎわった。

 カワズザクラはソメイヨシノよりも半月ほど花期が早く、花の色も淡紅色でソメイヨシノとは趣を異にし、どちらかと言えば、こちらの方が暖かさが感じられる。天候にもよるだろうが、彼岸のころまでが見ごろであろう。まだ、若木ばかりで、成長が期待される。 写真はカワズザクラの花見を楽しむ人たち(馬見丘陵公園「春の花畑エリア」で)。


大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2022年03月12日 | 創作

<3706> 写俳二百句(118) 揚雲雀

           初雲雀平城宮跡独り占め

                           

 奈良盆地の大和平野はこのところ暖かさを増し、この間、奈良市の平城宮跡を訪れ、今年初めて揚雲雀を聞いた。空高く上がって鳴いていたが、レンズを変えていたら見失ってそのうち鳴かなくなった。その後、望遠レンズをつけたまま小一時間待ったが、上がることなく、結局、撮影には至れなかった。

 昨日も天気がよく、穏やかで温かく、よく雲雀が上る斑鳩の法起寺周辺の田園に出かけてみたところ、正午前になって立て続けに上がり始め、撮影することができた。一羽が上って鳴き終わると、それを引き継ぐように次が上って鳴くといった具合で、二羽が同時に上って鳴くことはなく、五羽ほどが順に上って鳴いた。その鳴き声は懸命で、囀ると言った方がよいかも知れない。とにかく、撮影できた。

 写真は早春の法起寺(左・空中の黒点は揚雲雀か)と空高く羽ばたき鳴く揚雲雀(右)。

  法起寺の塔より高く揚雲雀

  揚雲雀そらみつ大和の空広し


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2022年03月11日 | 創作

<3705> 写俳二百句(117) 上弦の昼月

             汝我上弦春月平和主義

                       

 思いを巡らせるようなことがあるとき、私には空を見上げたり遠望の景色に目を向けたりすることがある。そうすると何とは言えず大らかな気持ちになれるから。ロシアのウクライナ侵攻の酷い様相の暗いニュースに思い巡らせる昨今、その侵攻の理不尽が撃てない歯痒さのつのる滅入ったような気分。というような次第で、いよいよ春めいて来た空を見上げたら、晴れた頭上の空に上弦の昼月が目にとまった。

 昨日のことであるが、淡く温もりのある半月は見上げる目にやさしく応えてくれる感があった。「人間は何やってるんだ」と空のどこからか。「困ったものです」と思い返し、その半月に向かって、あの誰かと同じく、胸の中で「peace」と声高に呼ばわった。

   プーチンのようなああいう御仁にはより強い意志で臨むことが肝心である。臆すれば、つけ入って来るばかりで、何の解決にもならず、世界の秩序における将来に禍根を残す。「ウクライナ負けるな我らここにあり」。世界は注視している。 写真は上弦の昼月。


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2022年03月07日 | 創作

<3701> 写俳二百句(116)    早春の花(シダレウメ、オガタマノキ、マンサク)

                  早春や花の辺りの暖かさ

           

 早春の木々の花。梅林のシダレウメは淡紅色の花が青垣の山並に映え、人気抜群。オガタマノキの花はモクレン科の花らしく柔和な花びらが魅力的である。マンサクの花は日差しを受けて辺りに暖かさを振り撒いている感じ。それは三者三様であるが、みな温もりをもって早春を彩る花である。 写真は左からシダレウメ、オガタマノキ、マンサクの花(いずれも馬見丘陵公園)。


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2022年03月05日 | 創作

<3699> 写俳二百句(115) 啓 蟄

               梅咲いて梅に魅せられ訪ふものら

             

 五日は二十四節気の啓蟄。冬ごもりの虫が這い出して来る意。春のさきがけ。今年は立春を過ぎて寒く、冬型の気圧配置により日本海側は大雪に見舞われた。このところ暖かく、ウメの花も一気に開き、花にはメジロ、モンシロチョウ、ミツバチなどがやって来て、蜜に与っている姿が見られる。まだ三寒四温の寒暖の波があるに違いないが、この三月初めは春本番への序曲といったところ。まずは、ウメの花に注目が集まる。

   梅林やしあはせ分かち合ふものら

   花に虫持ちつ持たれつだよつまり

 写真はウメの花に蜜を求めてやって来た左からメジロ、ミツバチ、シロチョウ。紅梅より白梅の方が蜜が豊富なのか、白梅が好まれているように感じられる。