「殺す相手は誰でもよかった」、AKBのメンバーにのこぎりで襲いかかった犯人がこう言っていると朝日新聞は報じていました。それを見て、ちょうど6年前に起こった秋葉原の無差別殺傷事件のことを思い出しました。また、社会学者・見田宗介さんがこの秋葉原の犯人について「まなざし不在の地獄」と分析していることも思い出しました。見田さんは「現代社会はどこに向かうか」(弦書房刊)の中で次のように述べています。「彼は、自分は誰からも反応されないし、喜んでくれる人も、必要としてくれる人もいないし、やりたいこともない。それだから『リア充のやつら』と言って、恨んでいた。(中略)自分にはリアリティがないからです。」そして、「誰からも反応されないし、喜んでくれる人も、必要としてくれる人もいない」状態を、「『まなざし不在の地獄』なのです。まなざしが無いということ、誰も見てくれないということの地獄です。」と呼んでいます。AKB事件の犯人が「誰でもよかった」と言っているのは、とりもなおさず自分自身が「誰でもいい」、つまり置き換え可能な名無しの権兵衛、「まなざし不在」の存在だと言っているように思えました。
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