花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

嵐が来る前に

2013-04-09 00:12:32 | Weblog
 4月最初の土曜日、天気予報では不要不急の外出を控えるよう呼び掛けながら、爆弾低気圧による嵐の到来を告げていました。関東地方は午後から風雨が始まるとのことで、それまでに帰ってこようと、子どもと一緒に上野の東京都美術館へ「エル・グレコ展」を観に行きました。開館30分前に到着、既に数十人の人が並んでいました。
 ギリシアのクレタ島生まれのエル・グレコはイタリア・ヴェネチアで絵画の修業を積み、やがてスペインに移り住み、そこで教会の祭壇画など多くの宗教画を残して生涯を閉じました。風景画と違って、エル・グレコのように宗教画の展示が中心になると、子どもからどういう場面なのか質問が飛んできます。それをどうやら凌ぎつつ、天上へ飛翔するかの如き「無原罪のお宿り」を仰ぎ見て、美術館を出ました。
 外は嵐の気配もない穏やかな天気でした。子どもが「神田まつや」で蕎麦を食べて帰りたいと言うので、おなかを空かせるために上野から秋葉原を通り、神田須田町まで歩きました。子どもはざる蕎麦、私は大ごま蕎麦、そして二人で天丼を分け合って食べました。その後、子どもが井上靖の「しろばんば」が欲しいと言うので三省堂へ行きました。2階の文庫売り場で「しろばんば」を手に取ると500頁を遥かに超える厚さでした。「いったい読めるのか」と思いましたが、人生の中でいずれ読み通すこともあるだろうと、求めることにしました。
 東京ドームの近くにある礫川公園の葉桜の下で、「午後の紅茶」と「ヱビス」でしばし寛いだ後、家に帰りました。家に着いて1時間もすると雨が降り出し、子どもと「良かったね」と話しました。

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