大阪都構想は住民投票の結果、反対多数となりました。大阪市民ではないので、都構想についてはあまり関心がありませんでしたが、住民投票で是非を問うことには違和感を覚えていました。例えば、産廃施設を作るとか、鎮守の森を残すといったシングル・イッシューで住民に直接賛否を聞く場合は、利害が分かりやすので意味がありそうですが、大阪都構想は市民生活のさまざまな部分に関連する諸政策のパッケージであるため、話が大きすぎるように思えたからです。住民投票はもっと限定的な問題に相応しい政治手法ではないかと思います。生活全体がドラスチックに変わりかねない問題について、議会の審議では埒が明かないので、大阪市民全員に是か非か聞いてみよう言われても、大阪市民は判断に困り、賛成票を投じるのがためらわれたのかもしれません。あるいは、表向きは都構想の是非を問うと言いながら、是となった暁には、都構想に対する是がいつの間にか市長に対する是にすり替わり、気がつけば定数1の議会が生まれてしまう、そんな危うさを感じ取った人がたくさんいるような気がします。