宇治で一日を費やしてみたい気持ちはあったものの、雨のためそれもためらわれ、奈良へ向かうことにしました。久しぶりに東大寺戒壇院の四天王像に会ってみたかったのと、これまで何度も東大寺を訪れていながら、まだ法華堂の不空羂索観音を見ていなかったので、奈良へ足を延ばしてみようと思いました。皮肉なもので、JR奈良線の電車が宇治駅を発車する頃には、雨が上がろうとしていました。少し未練は残りましたが、再訪を期しつつ宇治を後にしました。
奈良駅から歩いて行くと、法華堂はお水取りで有名な二月堂と並んで一番奥まったところにあります。不空羂索観音は帯状の布というか紐というか、そういった形状のものを手にしています。これが「羂索」で、悩める衆生を救ってくれる網の意があるそうです。慈悲深い仏さまではありますが、相対してみると「全部お見通しだ」とでも言わんかのような厳しい顔をしています。しかし、厳しい顔つきの中にも包容力が感じられ、「首を垂れるものは救ってあげるから、心配せずともよい」と、厳粛かつ安心感を与える雰囲気を湛えていました。
奈良駅から歩いて行くと、法華堂はお水取りで有名な二月堂と並んで一番奥まったところにあります。不空羂索観音は帯状の布というか紐というか、そういった形状のものを手にしています。これが「羂索」で、悩める衆生を救ってくれる網の意があるそうです。慈悲深い仏さまではありますが、相対してみると「全部お見通しだ」とでも言わんかのような厳しい顔をしています。しかし、厳しい顔つきの中にも包容力が感じられ、「首を垂れるものは救ってあげるから、心配せずともよい」と、厳粛かつ安心感を与える雰囲気を湛えていました。