花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

2011-08-01 23:15:48 | 季節/自然
 朝、弱った蝉がマンションの階段でもぞもぞ動いていました。虫好きの子どものため、蝉を拾い上げて家へ戻ろうとしたら、蝉は注射針状の口を私の指に刺し込もうとしてきました。樹と間違えたのでしょうか。固い樹に刺し込める口なので、私の指を刺し通すことなど簡単なことです。樹液の代わりに蝉に血を吸い上げられる自分と、蝉は飛び立つ前におしっこをすると言いますから、真っ赤なおしっこを降りかけられる自分の、ふたりの自分が脳裏をよぎりました。「ゲゲッ」と思い手を振ると、蝉は意外としっかり羽ばたいて飛んでいき、子どもに蝉を見せられませんでした。
 毎夏、蝉の抜け殻が落ちているのを見ると、「夏が本格化してくるな」と思います。それからしばらくして裏返った蝉を見る頃くらいから、ミーン、ミーンとやかましい蝉の声も徐々に櫛の歯が抜けるようにして、気がつけば声が聞かれなくなってきます。今日から8月です。蝉の世界でも少しずつ季節が動いているのでしょう。