花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

沖で待つ

2006-03-12 21:58:25 | Book
 絲山秋子の芥川賞受賞作「沖で待つ」を読んだ。展開はあるけど描写のない小説だと思った。たまたま同じ年に会社に入って、同じ土地に配属になったくらいで、何故主人公と太っちゃんはお互いの部屋の鍵を交換して、死んだ後の始末を頼む程信用しあえるのか、が分からない。太っちゃんと奥さんの珠恵さんの夫婦愛の深さが、実感をもって伝わってこない。行間に埋もれているものが多くて、想像を働かせる余地が大きい。その意味では、俳句のような小説と言ってもよいかもしれない。