霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

能登半島地震で露呈した原発の「不都合な真実」 その四

2024-02-14 22:05:26 | 社会
 能登半島地震で原発の怖さが再認識されたにも関わらず、マスコミで殆ど
取り上げないのが不思議でならなかった。
 毎日新聞は一ヵ月以上経過した2月9日になって初めて社説で言及した
ものの、やや及び腰のように思えた。

 
 毎日新聞社説(2024.2.9)
「能登半島地震と原発 安全対策の総点検が急務」

 「地震大国」の日本で原発を動かし続けることのリスクが改めて示された。
 能登半島地震で震度7を記録した石川県志賀町にある北陸電力志賀原発に
被害が出た。
 2基の原子炉は稼働しておらず、放射能漏れなどの深刻な事態は免れたが、
外部から電気を取り込むための変圧器が破損し、大量の油が漏れ出した。
復旧のめどは立っていない。
 情報公開にも課題を残した。北陸電は、漏れた油の量や津波の高さなど、
一旦発表した内容を後になって大きく修正した。危機管理の甘さに、原子力
規制委員会は苦言を呈した。
 想定外に備える。それが、東京電力福島第1原発事故が残した重い教訓だ。
    想定した高さを超える津波で非常用発電機が使い物にならなくなった。
冷却機能を失った原子炉は炉心溶融を起こし、水素爆発で大量の放射性物質
ばらまかれた。
 こうした事態を二度と招かないよう、原子炉の安全基準が厳格化された。
  だが今回の地震では、住民の避難計画の実効性に疑問符がついた。
 規制委が作った「原子力災害対策指針」は原発事故の際、住民がどう行動
すべきかを定める。5キロ圏内は「圏外避難」、5~30キロ圏内は「屋内退避」
を求められる。
 しかし、地震の揺れで道路が寸断されれば徒歩で避難するしかなく、被ばく
が避けられない。耐震性が低く倒壊した木造家屋での「屋内退避」は非現実的
だ。しかも救援物資が届かない状況では、長期間持ちこたえるのは難しい。
 北陸電は志賀原発2号機の再稼働を目指している。規制委は、地震を起こし
た海底活断層が原発に及ぼす危険性を評価し、厳正に審査しなければならな
い。
 日本では、原発の多くが過疎地域の海沿いに建つ。同様の事情を抱える宮城
県や新潟県、愛媛県で、地元から懸念の声が上がるのは当然だ。現状のリスク
評価が適切か。備えは十分か。国は総点検する必要がある。
 「脱炭素社会の実現」を掲げる岸田文雄政権は原発の再稼働に前のめりだ。
   だが、住民の不安を置き去りにしたまま突き進むようなことがあってはなら
ない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする