熊本大地震から7年がたつ。当時住んでいたapは大規模半壊となったため、不動産やさんから退去要請が有り、奥方が走り回って現在の我が家を見つけ出し急遽引っ越したのは、地震から一月も立っていなかった。
南向き四階建て3DK・16戸の3階である。すごく便利が良い地の利が気に入ったし、年も年だからもうここを終の棲家にしても良いと考えていた。
ところが最近、奥方が真剣に新しいマンション探しを始めた。毎日タブレットで情報をさぐり、一々報告をしてくる。
候補が10も20もに及び、アシスト自転車で現場を確認に出かけるという始末である。つまり相当本気である。
「俺はここで良いよ」と云うのだが、自分はまだ長生きするから最後の住まいとして気に入った所に住まいたいという。
そういわれると従わざるを得ない。時折娘がやってきては「引越料金は距離よりも数だからね」「断捨離/\」と、書籍類を処分してしまえとうるさい。
そして今の時期は、就職や人事異動などで引っ越しが多くて運送業界も忙しく、引越料が高いから夏ころにしなさいとか奥方にレクチャーしている。
そうなるとこちらも一応覚悟を決めなければならない。あと数か月奥方の気持ちが変わらなければ、又大変な引っ越しを味わうことになる。
この色紙の主人公松本勝太は、鳩野宗巴の医学における弟子であったが、花立山(球磨郡多良木町)で官軍と闘い銃弾に倒れたという。
以下二枚の色紙に宗巴は無念の思いを託している。深い師弟の愛情が満ちた交誼が伺える。
ちりぬべき時しりてこそ
敷しまのやまとこゝろの
やまさくら花
長延
松本勝太は余の生徒也 薩人の挙兵に合わせ之に起座して龍口隊副大隊長として
善く同志を奮励す 一日庵に赴くを遂げしを誰か記せず 午睡中怒気勃々として予の拝聖庵に来る
事の成らざるを憤り候 予其首を切るに地に墜ちて闇有り 愕然として覚めて祝して一絶を賦す
一刀一決死生を分つ
師弟の深情血涙の縁
大夢来たり臨む手の表裏
君は此の日行軍を督するを知る
壷渓