細川家文書9346点「第一級の資料」忠興が伝えた大坂の陣・熊本城に入った忠利の第一声…国重文追加へ
読売新聞オンライン
公益財団法人永青文庫(東京)が所有する「細川家文書」9346点について、文化審議会が重要文化財に追加指定するよう文部科学相に答申したことを受け、21日に熊本市内で記者会見した永青文庫の細川護光理事長は、「近世日本の社会と国家を理解するうえで第一級の資料だ」と述べた。
永青文庫は、細川家ゆかりの古文書や美術工芸品を所蔵する法人で、中世から近世の史料を熊本大付属図書館に寄託している。同大は2009年から寄託史料の目録を作成し、目録と現物の史料が正しいかを確認する作業を続けている。細川家文書は13年6月、織田信長から届いた手紙など266通が重文に指定された。
追加される見通しとなったのは、17世紀初期から明治初期にかけて、主に細川家の歴代当主が直接関係している古文書。直筆の手紙には、2代・忠興が大坂の陣の様子を伝える内容や、息子の忠利が熊本藩主として初めて熊本城に入ったときの第一声の内容などが含まれる。
熊本大で開いた記者会見で、細川理事長は「今回の指定で、日本の歴史研究の成果が熊本から全国に発信されることを期待する」と述べた。熊本藩の関係資料を研究する熊本大永青文庫研究センターの稲葉継陽センター長は、「最終的には寄託された(約5万7700点の)史料全体が重文に指定されることを目指す」と話した。