大日本赤誠会愛知県本部ブログ版”一撃必中”

当ブログは金銭目的ではなく、飽くまでも個人的な主義主張(思想や言論の自由)を表現する場として開設しています。悪しからず!

M77銀河 超新星2018ivc 電波再増光が示す連星進化の道筋

2023年03月16日 19時03分51秒 | 宇宙 月、火星、惑星探査 ビッグバン パーサヴィアランス インジェニュイティ

M77銀河に出現した超新星2018ivc。左はハッブル宇宙望遠鏡が爆発直後に撮影した画像。右はアルマ望遠鏡による観測画像で、爆発からおよそ200日後(右上)と、およそ1000日後(右下)

爆発後にいったん暗くなった超新星が、ミリ波の波長域で再び増光している様子が、アルマ望遠鏡による観測で捉えられました。連星系の中での大質量星の進化を理解するための、一つの手掛かりが得られたことになります。
太陽の8倍以上の質量で生まれた大質量星は、その生涯の最期に超新星爆発を起こします。超新星爆発を起こすまでの間に、大質量星はさまざまな要因でその星の外層部を放出します。特に、連星系を成している大質量星は、相手の星の影響で外層部の多くを短時間にはぎ取られ、濃い星周物質で包まれる時期があると考えられています。しかしこの時期は短いため、外層部の放出の様子を直接知ることは困難です。
京都大学や国立天文台などの研究者らから成る国際研究チームは、星の外層部をある程度放出した状態で爆発したと考えられる「超新星2018ivc」に着目しました。爆発後200日の時点で暗くなっていたこの超新星を、アルマ望遠鏡を使い数年間にわたって観測を続けました。その結果、爆発からおよそ1年後から、ミリ波の波長域で再び増光していることを見いだしたのです。爆発の前に大質量星から放出された星周物質が、少し離れたところで星を取り巻いており、この星周物質に爆発によって高速で膨張する超新星が衝突したために再び増光したと考えられます。
増光の度合いや時間変化を理論モデルと比較した結果、超新星が爆発するおよそ1500年前に大質量星からはぎ取られた外層部が、およそ0.1光年離れた位置に濃い星周物質として分布していたことが明らかになりました。連星系の中で大質量星がどのように外層部を放出してきたのかを知るための、一つの大きな手掛かりが得られたことになります。

@超新星の話が続きますが、太陽は後50億年経つと超新星爆発を起こします。太陽の水素がどんどん減ってヘリウムが多くなってくると太陽は膨張して、赤色巨星と呼ばれる巨大な星になり地球の軌道を飲み込むほど膨張します。そして表面からガスがゆっくりと宇宙空間に流れていき、やがてしぼんでいきます。最後は白色矮星という核だけが残った小さな星になって、一生を終えます。