大日本赤誠会愛知県本部ブログ版”一撃必中”

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「NGC 5486」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“おおぐま座”方向1億1000万光年先の渦巻銀河

2023年03月15日 18時48分56秒 | 宇宙 月、火星、惑星探査 ビッグバン パーサヴィアランス インジェニュイティ

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河「NGC 5486」



こちらは「おおぐま座」の方向約1億1000万光年先にある渦巻銀河「NGC 5486」です。バルジと呼ばれる明るい中心部分を、ふわふわとした雰囲気の不明瞭な渦巻腕(渦状腕)が取り巻いています。渦巻腕のあちこちに見えているピンク色の領域は、新たな星を生み出す星形成領域が存在することを示しています。
この画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータ(可視光線と近赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されました。欧州宇宙機関(ESA)によると、ハッブル宇宙望遠鏡によるNGC 5486の観測は、「II型超新星」を起こした恒星やその周辺の環境を理解する研究の一環として取得されたということです。
II型超新星は超新星爆発の一種で、太陽の8倍以上の質量を持つ大質量星が赤色超巨星に進化した後、恒星内部の核融合反応で生成された鉄のコア(核)が自重を支えきれなくなって崩壊し、その反動によって恒星の外層が吹き飛ぶことで爆発に至ると考えられています。NGC 5486では2004年3月にII型超新星「SN 2004cm」が発見されています。冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として、ESAから2023年3月6日付で公開されています。

Ⅰa型は、3月10日のダークエネルギーカメラで撮影?!で少し解説しています
参考:Ⅰ型
Ⅰa型 水素のスペクトル線はほとんど見えません。ケイ素の強い線が出て、後で鉄の線が目立つようになります。 あらゆる種類の銀河に出現します。
Ⅰb型 水素のスペクトル線はほとんど見えません。極大近くでヘリウム線が出ます。ケイ素線は弱く、Ia型のような鉄の線は見えません。
Ⅰc型 水素のスペクトル線はほとんど見えません。Ib型のようなヘリウム線は見えず、ケイ素線は弱く、Ia型のような鉄の線はありません。
Ⅱ型 水素のスペクトル線が卓越しています。光度変化の様子などから、 P型(plateau)、L型(linear)、n型(narrow)、 その他の種類に分けることがあります。
超新星爆発のメカニズムも2種類考えられています。太陽の4~8倍の質量の星の場合、炭素と酸素の中心核が収縮した後、約8億度に達した段階で炭素に核融合の火がつき、 どんどん重い元素ができていきます。この炭素の核融合はたった0.1秒程度で暴走的に起るため、星はコナゴナに砕けてしまいます。これが炭素爆燃型超新星です。
太陽の約8倍より重い星の場合、反応は一気に鉄まで進み、できた鉄の中心核はまわりからエネルギー(ガンマ線光子) を吸収してヘリウムと中性子に分解してしまいます。 これを鉄の光分解と呼びますが、これは吸熱反応で、しかもほんの0.1秒くらいしかかからないので、その結果、中心核の圧力が一挙に下がって中心核が潰れ、外層は反動で飛び散ります。これが鉄の光分解型超新星です。
基本的には炭素爆燃型超新星がⅠ型に対応し、 鉄光分解型超新星がⅡ型に相当すると考えられていますが、いろいろなバリエーションや違いがあり、観測される現象とその本質との対応が完全に解明されているわけではありません。
基本、Ⅰ型はどの銀河にも発生し、Ⅱ型は渦状銀河の腕や不規則銀河によく見られます。

@だんだん専門的になってきますが、興味のない方は飛ばしてください。それにしても1億1000万光年先・・・遠いですね。しかし、この世のものと思えないくらい美しい。