大日本赤誠会愛知県本部ブログ版”一撃必中”

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天の川銀河 中心部にある謎の天体「X7」?

2023年03月14日 12時56分49秒 | 宇宙 月、火星、惑星探査 ビッグバン パーサヴィアランス インジェニュイティ

天の川銀河中心部の画像。超大質量ブラックホール「いて座A*」のすぐ近くにある数多くの天体の中でも、X7は特徴的な細長い形をしている。
参考:いて座A* いてざエースターと読みます。
地球から約2万7000光年先、天の川銀河の中心にある天体。 その周りにある星々の運動を1990年代から詳しく調べてきた研究者たちは、「いて座A*」が太陽の約400万倍の質量を持つ超大質量ブラックホールだと確実視しています。

天の川銀河の中心部は、極めて物質密度の高い領域です。そこには「いて座A* (エースター) 」と呼ばれる超大質量ブラックホールがあり、その周辺を多数の天体が高速で公転しています。
いて座A*を公転する天体の大部分は恒星ですが、他にも惑星質量の数十倍程度という小さなガスや塵の塊もいくつか見つかっており、これらは「G天体 (G object)」と称されています。G天体の起源は調査が進められていますが、恒星同士の相互作用がその源ではないかと推定されています。天体同士の距離が短い銀河中心部では恒星同士が頻繁に接近や衝突していると考えられており、G天体は恒星同士の衝突過程で生じたガスの塊ではないかというわけです。ガスはその内側からの光を遮るため、仮にG天体の内部に恒星があるとしても、見つけることはできないと考えられています。この他にも、G天体の内部に恒星は存在せず、赤色巨星とコンパクト星の衝突で弾き出されたガスの塊だとする説もあります。
しかしながら、天の川銀河の中心部では恒星でもG天体でもない天体が見つかっています。「X7」と呼ばれているこの天体は、2002年に初めて画像化されました。
X7は一見するとG天体に似ています。推定質量は地球の約50倍で、他のG天体のように細長い軌道を持ち、2036年にいて座A*から4800億kmまで最接近すると考えられています。この距離はいて座A*からあまりにも近く、X7は最終的にいて座A*に吸い込まれてしまうと予想されていることから、ブラックホールに物質が吸い込まれる様子を “リアルタイム” で観測できる可能性があるとして注目されています。


そして重大な手掛かりとして、X7は「G3」と名付けられているG天体のひとつと軌道が似ていることが明らかになりました。このことから、X7とG3は共通の起源を持つと推測されます。しかし、その一方でX7とG3は特徴が異なるため、細かな性質は異なると考えられます。
Ciurlo氏は他の可能性を除外した上で、X7とG3の起源は恒星の衝突ではないかと推定しました。この場合、G3にはガスに包まれて見えない恒星があると推定されます。一方、X7は衝突時にはじき出されたガスの塊であり、その内部に天体は存在しないと推定されます。こうしたガスの塊の中身の違いが、他のG天体とは異なるX7の性質の源であると推定されます。
今回の研究では、X7の正体と起源をある程度まで推定できたものの、決定的とは言えません。X7の正体を探るには、2036年の最接近時を含めた継続的な観測が必要となります。その時には、X7はいて座A*の潮汐力によって更に劇的な形状に変化することが予測されます。X7の正体は、今後のさらなる観測で判明するかもしれません。

@2036年、超大質量のブラックホール”いて座A*”に吸い込まれてしまうのか、更に細長くなるだけなのか、楽しみです。後13年です。