カントリウオーカーで、ヨーロッパの数多くのウオーキン
グトレイルを歩いている「やまさん」こと山浦正昭さんが、
「日本にもヨーロッパにあるような大規模な歩く旅のルート
が欲しい!そしてヨーロッパのウオーカーにも日本にきて
歩いて欲しい!」との願いから始めた、国際ウオーキング
トレイル設定のための実踏は、ルートの選定、宿の詳しい
情報の収集などを目的に年2回実施している。
2003年に新潟県の鳥首岬をスタートし、長野県を縦断
して山梨県に入った。今回は、清里から八ヶ岳横断歩道を
歩いて小淵沢に出て、さらに甲州街道沿いに南下、JR
中央線穴山駅までのおよそ50㎞を3日間で実踏する予定
である。
2007年10月2日(火) 曇
=清里・清泉寮から甲斐小泉へ=
前日夕方、JR小海線清里から歩いて、前回最後の宿
でもある清泉寮に宿泊した。
朝の清泉寮から見る茅が岳。晴れていれば右のすそ野
あたりに富士山が見えるはずだが、雲に隠れている。
今回の参加者は、やまさん、茅ヶ崎市の I さん、それ
に私の3人。いずれも前回も参加のメンバーである。
8時5分に清泉寮をスタートする。すぐ近くに、色鮮やか
なキノコが顔を出していた。
清泉寮の一角、ポールラッシュ記念センター横から北
へ、清泉寮の運営もと、キープ教会の自然歩道になって
いる、川俣川東沢左岸上の気持ちよいアカマツやブナな
どの林間を進む。
階段を東沢への分岐まで下り、再び上がって清泉寮
ブリッジショップに出た。駐車場からは、東沢をまたぐ
朱塗りの東沢大橋が、周囲の緑に鮮やかに目に入る。
橋を渡って、八ヶ岳高原ラインと呼ぶ車道を南西へ。
南から東の展望が開け、好天なら富士山も見えそうだ
が、今日は雲が低くて遠望は得られない。
近年に開設したらしい、「まきば公園」の建物を見下ろ
し、橋から1㎞ほどで右手の県営八ヶ岳牧場内の車道
へ。300mほどで横断する八ヶ岳横断歩道に入った。
この歩道は、東は美しの森から天女山、三味線滝など
を経て、西は観音平まで、赤岳を頂点とする南八ヶ岳の
すそ野の標高1450~1800mの間を横断する、全長
約16㎞の歩道である。今日は、そのうちの約10㎞を
歩く予定。
広々とした県営牧場の芝生地を少し進んで林間に入る。
小さい流れを二つ横切り、天女山への車道を横断する。
カラマツ林の下には、疑木を二重に積み重ねた段のと
ころもあり、歩きにくいので、横を歩くことになる。
最初のピーク、標高1528.8m三角点のある天女山
に上がった。大きな「天女山」碑や、東屋、八ヶ岳中信
高原国定公園案内図などがあり、春はツツジの名所とし
て知られたところである。
車道の駐車場横を通過、緩やかに上がるカラマツ林の
歩きやすい道を進み、天の河原に出た。標高は1620m。
好展望地のようだが、今日は低い雲の切れ間から南東側
の山並みが少し見えるだけ。
テーブル付きの木ベンチがあり、何アザミだろうか、大
きな花を付けた丈の低いアザミが咲いていた。
この歩道には分岐やカーブ点に道標が多く、「南八ヶ岳
トレッキングマップ」に記載されているのと同じ番号が柱に
記され、どこまで来たのか容易に確認できる。
広葉樹が主体の樹林下にササが増えてきた。沢を二つ
横切り、アップダウンを繰り返し、展望台の近くに来た。
少し南東に下ると、「展望台」の標識の立つ小ピークが
あるが、松などがかなり伸びていて、あまり好展望地とは
いえそうにない。今日は、ガスで全く視界は利かない。
その先は、ブナやカラマツ、ダケカンバなどの樹林帯を、
今回の最高点、標高1760mを越えるあたりまで、尾根
の稜線をゆっくりと上がった。
左へトラバースして次の稜線を下る。樹林にガスが立ち
こめ、見通しが弱くなった。
下を走る車道、八ヶ岳ラインへのエスケープ路との分岐
まで下がり、左下がりの斜面をトラバースしたり、木の段
のある短い斜面などを何度かヘヤピン状に行き来したり
する。
次の展望台への分岐を通過し、ツバクラ岩の上に出た。
ザックを置いて少し下ると、オーバーハングした大岩が続
いていて、どれがツバクラ岩かよく分からない。
ザックのところに戻って昼食とする。 (続く)