あるきメデス

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四国遍路道ある記(後編)・愛媛その8

2006-11-08 21:22:52 | 初めての四国遍路
 第3日 2004年11月15日(月) 曇後晴 <46番浄瑠璃寺> 
 =三坂峠を下って松山市内へ=
 
 6時10分起床、まだ雨は降っている。昨夜はかなりの雨だった。
7時朝食、7時45分古岩屋荘を出発。ポンチョは着けず雨ズボン
とスパッツを着用した。

 宿の周辺、大岩と紅葉の取り合わせがよく、それにもやがかか
り独特の景観を見せてくれる。


 宿のすぐ西から谷間を西に進むへんろ道に入る。大岩の下に
ある不動明王堂を見下ろしながら進む。


 緩い上り道にかかるともう汗ばんできた。

 八丁坂入口から先は、落ち葉がたっぷりの林道を抜け、いっ
たん県道に出て、さらに南側のへんろ道へと、昨日岩屋寺に向
かった道を逆行する。

 県道に出たら、男性遍路3人と相次いで行き違った。河合の
交差点先で昨日の道と分かれ、少し先で「四国のみち」の標識
に従い、畑の横の細道に入ったが、どうもおかしい。

 少し上に林道があったので上がって了解。どうやら標識より
少し先に入口があったようだ。

 林道は途中から沢沿いになる。沢から上がってきたのか、
林道にサワガニが2匹いた。

 上り詰めたところが千本峠。狭い峠の手前は広葉樹林だっ
たが、峠の先は、その名のもとになったと思われる沢山の杉
が林立し、ガスがたれ込め薄暗い。

 ガスの中を下っていったら数戸だけの高野集落に出た。

 集落の外れにある天満宮のそばに、東屋とトイレを設けた
休憩地があった。峠越えで汗をかいたので休憩する。しかし、
気温が低いのか、ちょっと休んだだけで涼しくなった。

 集落を出たら雨が落ちてきたので急ぎポンチョを着ける。でも
すぐ止み、以後、降られずに済んだ。


 大除城跡の説明板がある槻之沢集落で車道に下る。

 いっぱい実った柿の木とS字カーブの棚田が、日本の原風景
を見せてくれる。


 山砂採取場の脇を下って国道33号に出た。国民宿舎で聞い
てきた、弁当調達のため、久万町中心街方向にあるコンビニ、
サークルKまで500mほど行き戻る。

 車の多い国道を北に進む。明神小を過ぎ、中組集落の「東明
神青空市」の看板が出た店がある。閉店している小屋にイスが
あったので、無断借用して昼食をさせてもらう。

 昼食後も、緩い上り道となった国道33号を進む。U字溝だけ
の車道となり、アップダウンが多くて歩きにくい。左下の谷間で、
三坂峠をバイパスするための三塚第1トンネル工事が進んで
いた。

 急カーブ点にあったレストパーク明神や、皿ヶ峰(12う0,5m)
登山口を過ぎ、1kmほどで三坂峠へ。薄日が出てきたが、標高
718mの峠近くは吐く息が白い。

 民家の前を抜け、四国のみちになっているへんろ道を下り始め
ると、眼下に松山市郊外の家並みの展望が広がる。

 道は幅広く、思ったより傾斜も緩やかで、膝の負担も少ない。

 途中に久万街道の説明板があり、「この道は明治25年(1892)、
旧国道33号が開通するまで、松山と高知を結ぶ重要な街道だっ
た」という。道理で、草道で濡れるかと思って、スパッツも着けた
まま来たが、不要だったのだ。

 右からの流れが迫ってきたところに東屋があったので、ひと
休み。その先は、簡易舗装の下り。向かい風が気持ちよい。

 細い棚田が続くが、周囲に猪よけのトタン板と電気牧柵が張っ
てある。

 桜集落から榎集落までは、開けた棚田沿いの気持ちよい下り。
桜集落に、「お遍路さんの道の駅」があり、石のベンチといす、
石の水車など、石造りのものが並ぶ。


 本組からの棚田沿いの道を、途中から上がって行くと、ミカン
畑が現れちょうど収穫中。

 挨拶をしたら、「幾つでも持って行きな」と言う。大きくてよく
熟したのを2つだけいただいた。


 番外霊場網掛大師堂に参拝。道路際に、弘法大師の網掛け石
という大石がある。名のとおり網のような縞が付いていた。


 そばの民家で、奥さんが炭焼きがまのようなものに薪を燃や
していた。聞くと、五右衛門風呂で、別棟に新しい風呂もあるの
だが、ご主人はこの風呂が好きなのだという。

 奥様心づくしの風呂で、ご主人は心も体も温まることだろうと、
うらやましく通り過ぎた。

 上関屋で県道207号に上がる。御坂川を渡って間もなく久谷
郵便局があったので入り、月初に発売された四国霊場の切手を
購入した。

 16時10分、民宿長珍屋に着く。コンクリート造りで、団体参拝
客用の旅館と、個人遍路用の民宿は玄関が別。ザックを置かせ
てもらい、そばの46番浄瑠璃寺へ。

 境内には、樹齢千年を越すという高さ20mのイブキの大木や、
仏足石、説法石、九横封じ石、さらに戦死者への思いを記した皿
を埋め込んだ鎮魂の皿などがある。


 民宿客は4名。コインランドリーで洗濯中に入浴。まだ誰も入って
いない泡風呂で、今日もこった肩(特に右)をよくもんだ。

 夕食は大食堂。20人前後の団体が3グループ入り、その一つ
には、若い坊さんが10人くらいいた。ほかにも数人の団体がいて
賑わう。

〈コースタイム〉国民宿舎古岩屋荘7:45ー八丁坂下8:03ー県道8:35
ー住吉神社8:56ー千本峠9:35ー高野の休憩地10:00~16ー西明神
(国道33号へ)10:55ーサークルK11:05~15ー東明神青空市(昼食)
12:05~45ーレストパーク明神13:06~10ー三坂峠下の東屋14:13~
20ー網掛大師15:14~20ー民宿長珍屋16:10ー46番浄瑠璃寺16:12
~32ー民宿長珍屋16:・43

(距離 28km、地図(1/5万) 久万、松山南部、歩行地 久万高原
 町、松山市、歩数 47,800)

コメント (1)
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