魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

今、目の前で

2009年10月21日 | 日記・エッセイ・コラム

新体制に変われば、旧体制の「使えないモノ」が出てくる。
戦国から徳川の太平の世に変わると、荒武者が職を失って大阪城で死に花を咲かせた。

明治維新の四民平等や廃藩置県で職を失った武士は、西南の役を起こした。

敗戦の時には・・・
「戦争には負けたが奴隷になったわけじゃない」白洲次郎
江戸の名残の地主は消えたが、官僚と財閥も、結局、生き残った。

今回の政権交代が、明治維新並みの仕事ができるかどうかは別として、
今、始まっているのは、その官僚と財閥の解体だ。
江戸の地主が敗戦で消えたように、明治の官僚と財閥は時間の流れからすると、そろそろ消えても良い頃だ。

もちろん、農地改革のように、朝起きたら無くなっていたとはいかないが、意味と形が変わるだろう。
官僚は制度の問題だから、案外早い。
しかし、財閥を意味する大企業はそう簡単ではなさそうだ。

が、しかし。時代が変われば、むしろ、こっちの方が早いかも知れない。
アメリカのビッグスリーの有様や、証券・金融の盛衰を観ていると、それは一瞬で来てもおかしくない。

旧体制の「使えないモノ」は巨大工事と土建事業であり、これは戦乱が無くなれば武士が要らなくなる理屈と同じだが、ここでも当然大きな抵抗が出てくる。

その渦中にあるとどんな景色に見えるか、今まさに、我々が観ていることだ。ダムや干拓の時代はとっくに終わっていたが、ばっさり切ることができず、今まで続いてきた。その断末魔の大騒ぎだ。

時代の変わり目に早く対応した者は次の時代を担い、抵抗する者はどこかで討ち死にする。

今、世界最大のトヨタ
先日のNHKドキュメントは、「何を今頃」と思う話で、このブログの初めから言ってきたことを、さも大変そうに「大転換だ」と騒いでいたが、トヨタの戦略を聞いて「終わったな」と思った。

様子を見てシフトしようと言う話だが、それは安定期の変化に対する態度だ。
大転換は、一歩先を行く者が制する。
様子を見たら遅れるのだ。

何よりも、トヨタ自身、ハイブリッドで一歩先を行ったから転換期の花になったではないか。それが、小さな成功体験で守りに入った。

これは、日本が飛行機で大戦の初期を制して、それで学んだ米国に、飛行機で徹底的にやられたことと同じになる。

ああ、ニッポン !