今朝がた、なーちゃんが夢に出てきた。
設定は、退団後の、女優のなーちゃんで、髪も短くないのだが、
カジュアルな、白っぽいパーカみたいなものを羽織ってらして、
なんだか、宝塚の頃の、出待ちで見たなーちゃんみたいでもあった。
とても、軽やかな印象だった。
私の夢の中で、なーちゃんは、都会の、
ビルの前みたいなところに、なぜだか一人で立ってらして、
感じとしては、迎えの車を待っている、という雰囲気だった。
だからそんなに時間はなさそうだった。
でも、私が「あ、なつめさんだ!」と思って近づいていくと、
ニコっと微笑んで下さった。
近くで見た、なーちゃんは、透き通るように肌が白くて、
『昔と変わってないなあ』
と夢の中の私は見とれていた。
とてもほっそりしていて、儚げな感じも以前と同じだった。
自己紹介もしていないのに、ファンだとわかって下さって、私が
「お会いできて良かったです」
と言ったら、
「ありがとう。次の公演がなくて、御免なさいね」
と、あのちょっとハスキーな、低い、温かい声で仰った。
私は、了解していた。
なーちゃんは、もう行ってしまうのだ、と。
そして、そこに行ったら、二度と帰って来ない。
だから、次の公演は、どんなに待っても実現しない。
夢の中で、私は、これから、なーちゃんが天国に行ってしまう、
と理解しているのだが、そのことは、どうしてか、
なーちゃんが宝塚歌劇団を退団してしまう、
ということと、とても似た意味を持っているのだった。
だから私は、残念で仕方がなかったけれど、泣いていなかった。
「みんな同じとこに、行きます」
と私は言った。全然言葉足らずで、変な言い方だった。
なーちゃんがこれから行く場所に、先に行った人もいるし、
ずっと後になってから行く人もいるし、勿論、私も行くし、
ひとりの例外もなく同じなんだと心底思って、そう言った。
ただ、『順番が違う』ところが、たまらないと思った。
でも、それは、目の前のなーちゃんには、言えなかった。
「いいのよ」
となーちゃんはまたとても良い笑顔で言って下さった。
何がどう『いい』のだか、話として必ずしもかみあっていないのに、
夢の中の私は、なーちゃんの気持ちがわかっていると、
(おこがましくも)納得していた。
なーちゃんには、なんの葛藤もないみたいだった。
ちょっと寂しそうだったけど、なーちゃんは、とても綺麗だった。
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