転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



今年のポゴレリチ来日公演に関しては、
12月8日の東京公演が既に発表されていたのだが、
昨日、Facebookのお友達某氏の情報により、
そのほかに地方公演もあることが判明した。

12月1日(土)15:00 霧島国際音楽ホール みやまコンセール
モーツァルト:アダージョ ロ短調 K.540
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
シューマン:交響的練習曲 作品13(遺作変奏付き)
かごしまミューズ・クラブ会員先行8月18日~ 一般発売8月26日~

12月6日(木)18:45 愛知県芸術劇場コンサートホール
第36回 名古屋クラシックフェスティバル(中京テレビ主催)
全8公演通し券4月17日~ 公演別チケット6月2日~

12月8日 (土) 19:00 東京サントリーホール
モーツァルト: アダージョ ロ短調 K.540
リスト: ピアノ・ソナタ ロ短調
シューマン: 交響的練習曲 op.13
カジモトイープラス会員限定先行6月7日~10日 一般発売6月16日~

現在わかっているのは以上だ。これで全部だろうか?
プログラムは名古屋のが出ていないが、多分、ほかと同じだろう。

私が行くとしたら、今のところ名古屋は問題無い。
月曜と木曜が、私にとっては最も休みを取りやすい曜日だから、
そこに当ててくれたのは本当に有り難い。
一方、うちの会社は土曜が一番仕事の忙しい曜日で、
いくら有休があるとはいえ、2週連続で土曜日を休むのは大変厳しい。
1日か8日かで選ぶとなると、私にとってはどう見ても1日の霧島だ(^_^;。
全部で1000席に満たないみやまコンセールのホールに行ってみたい。

ともあれ、いずれもまだチケット発売日まで間があるので、
もう少し、楽しく悩むことができそうだ。

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本日は歌舞伎座昼の部。
私のお目当ては雀右衛門と松緑が踊る『男女道成寺』。

雀右衛門、前半はえも言われぬ、魅力的で優美な、
うねりのある踊りで花子の様々な顔を見せて下さり、
先代のマリー雀右衛門のおじさま(@俳優祭『ばらのよばなし』)
もあの世でさぞや感じ入っておいでだろうと見とれていたのだが、
最後に蛇になって鐘に乗り、その上で見得を切る花子を
オペラグラスで見たら、一転して清姫の狂気そのもののお顔になっており、
これぞ天を衝く清姫の怒り!と息を呑んでしまった。
当代雀右衛門の胸のうちには、深くたぎる「熱」がある!と感じ入った。

対する松緑、前半は「白拍子 桜子」としての女性の踊りで、
あまりにも、あまりにも可愛くて俄には松緑とは信じられず(殴)、
私はオペラグラスをあげて二度観をした。
身のこなしのひとつひとつに愛らしさと品格があり、
一分の隙もなく、さすが藤間流六世家元の面目躍如。
後半の、「狂言師 左近」としての踊りも、軽やか、かつ鮮やか。
お化粧も、眉は違うが基本形が桜子のままなので、
左近になってもやはりかなり可愛くてお人形さんのよう、
見ながら幾度も、こちらの頬が緩んでしまった。
……この方、来月は西郷さんなんですよね(^_^;??

名手ふたりが、静かに、かつ真っ向から技を競い合う共演に加え、
今回の舞台は、所化も超豪華な「イケメン祭り」状態で、
並ぶのは、歌昇、竹松、壱太郎、廣太郎、米吉、橋之助、男寅、福之助。
満開の桜に相応しく、そこかしこに馥郁(ふくいく)とした香り漂う、
華やか・賑やかな一幕を見せて貰った。

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(写真は、歌舞伎座タワー5階のギャラリーに展示されている『鰹』。
『髪結新三』では、この初鰹が舞台の空気を決定づける小道具となる)

昨日、国立劇場で菊之助の『髪結新三』を観た。
畏れ入りました!!

菊之助は近年、充実しすぎて「ヤバい」(笑)。
すらりとした立ち姿、妖しい眼差し、まろやかな声音、
それに程よく丸みの出て来た脚線美になんとも言えぬ色気があって、
ちょっとこれまで観たこともないほど美しい新三だった。

最初に新三が髪結の小道具を下げて舞台下手から出て来たとき
菊之助の目つきが、今までの彼にはなかった、
「美貌の小悪党」然としたものであることに、まず強く感心させられたが、
その次に、朝湯帰りという設定で新三が手拭い・浴衣姿で花道に登場した場面、
私はその、匂い立つ全身の美しさに心射貫かれた思いがした。
更に、閻魔堂の場で、侠客となった姿で舞台上手から姿を現したときの菊之助も
その体じゅうから発散される空気に、昏い紅色が漂うような印象があり、
ひとつひとつ、研鑽を積んだ菊之助が身につけてきたものが
こういうかたちになったのかと、強く打たれ、目を見張った。

役と向かい合う際の菊之助の、妥協を許さぬ徹底的な姿勢と、
限りなく謙虚な学び取り方を、目の当たりにした思いだった。
常に音羽屋としての正しさを高め、追求し続け、
丁寧に厳格に積み重ねてきたものが、今や豊かに実って、
いよいよ、瑞々しい大輪の花になろうとしている、と思った。
そして、我々は今ここで「芸の継承」を現在進行形で目撃している!
という手応えをひしひしと感じた。
私は長く菊五郎のファンであり続けているのだが、
息子の菊之助が、菊五郎の新三をまさに超えんとしていることを
心から嬉しく、感慨深く思っている。
菊五郎は、なんと見事な後継者を育ててくれたのだろうか!

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