転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



実家両親が電子レンジを買い換えたいと言ったので、先日、手配し、
その配達・設置日が本日午前中だったため、朝から両親宅に行った。
9時から12時の間に配達がある、と私は事前に伝えておいたのだが、
両親が覚えている筈もなく、玄関の鍵を開けて入ってみると、
父は寝坊しており、母は寝間着のまま、朝食らしきものをとっていた。
母は私を見るなり、何の用事で来たかとも訊かず、
もう足が痛くてたまらない・いつまで辛抱すれば治るのか、
と、文字通り「渋面を作って」という様相で苦情を言った。
例によってテレビががんがんに鳴っていた。

「こんな人ら、朝からこういう話(=森友問題)を喋るのが面白うて仕方ないんや」
と母はワイドショーのコメンテーターを指した。
「面白いかどうかは知らんが、まあ、この人達は、これが仕事やし、な」
「何が仕事ね!面白おかしいてやっとるんよ、こんな人らは!」
「……はぁ(^_^;」

いつも笑顔で接客している私もまた、母のようなお客様からは、
楽しくて面白おかしいから働いていると思われているのだろうか(汗)。

それから、母は、回覧板を回すのが負担だという話をし始めた。
うちの村では、町内会に入っている家すべてに回る回覧板と、
農業をしている家だけに回る回覧板の二種類が存在していて、
町内会の回覧板については、以前から両親がもうしんどいと言っていたので、
先月、私が班長さんに電話をして、
『町内会は続けさせて貰いたいが、老夫婦世帯で、脚も不自由になってきたので、
今後、回覧板はうちは飛ばして戴きたい』と頼んだのだ。
これについてはたちどころに理解が得られ、先日、町内会の方が来られて、
「回覧板が回らなくとも、大事なお知らせは必ずお届けしますから」
と、新年度の挨拶とともに言って下さったと、両親は喜んでいた。
しかし農家版のほうはまだ止めていないため、今も回って来ているのだった。

「ほんなら農家の回覧板のほうも止めるように電話しとくわ。誰が代表やの?」
と私が尋ねたら、母は、
「ようわからへん。うちの前は……誰か知らん、いろいろ名前は書いてあるけど、
 いちばん下(しも)はOさんやと思うけど、全部で何軒かもわからへん。
 上(かみ)から下(しも)へ回るんやけど、下から来たこともあんねん」
と回覧板を回す順番のことだけ言った。私は、
「うちの次はKさんやろ。届けに行ったこと私も何度かあるわ」
と言ってみたが、母はそれには答えず、
「それに、じーちゃん(父)が、こっちの回覧板はやめへんて言うねん」
と言った。父は農家版の回覧板は続けて読みたい理由があるのか?
「なんで、て訊いたら、うちにも農地があるから、て言うねん」
母の話では、町内会の回覧板は持って行くのを面倒がった父が、
農家の回覧板のほうは、ちゃんと次のKさんのところへ、
そこそこ距離もあるのに歩いて届けに行っているのだという。

私「じゃあ、とりあえず、今すぐは、やめんでもええということか」
母「町内会の回覧板のほうは、やれ届けに行くのはしんどいじゃの、
 ワシが行くばっかりでアンタが行くのは見たことないじゃのと、
 さんざん私に苦情を言うといて、農家のぶんは、『農地があるから』やと」
私「じーちゃんが自分で持って行くのやな?」
母「そうや。こないだなんか、私がもう止める言うたらいかんと思うたんか、
 回覧が来たら、さっさと自分で持っていっとうねん」

……ならば、とりあえずスムーズで、何も問題ないのでは(^_^;?

母「もうこんなトシやし、忘れて回覧板がうちで長いこと止まっとうこともあるし、
 もうやめたらええと思うんやけど。どなたが代表さんかもわからへんねんけど」
私「ほんなら、私からKさんに電話して代表さんが誰か訊いて、
 次からは回覧板はうちは飛ばして貰うように言おうか」
母「じーちゃんは、こっちの回覧板は、やめへんて言うねん」
私「それはさっき聞いたが、しかしどちみち負担になって来るし、
 某有料老人ホームに行くようになったら、留守することもあるようになるし、
 やめても、別におかしいことはないと思うが。私からじーちゃんに言おか」
母「でも、じーちゃんが、農地があるから、て」
私「(それも聞いたが(^_^;)」(テレビの大音量が耐え難くリモコンで下げながら)
母「こないだなんか、私がもう止める言うたらいかんと思うたんか、
 さっさと自分で持っていっとうねん」
私「(それも聞いたね(^_^;)」
母「町内会の回覧板のほうは、やれ届けに行くのはしんどいじゃの、
 ワシが行くばっかりでアンタが行くのは見たことないじゃのと、
 さんざん苦情を言うといて、農家のぶんは、『農地があるから』やと」
私「(全部リピートしましたね今(^_^;)」
母「ほんでも、忘れて回覧板がうちで長いこと止まっとうこともあるし、
 もうやめたらええと思うんやけど」

ああ、早く電器屋さんが来てくれないかな(爆)

それからも母は回覧板の話を続け、『農地があるから』と
『私がもう止める言うたらいかんと思うたんか、
 さっさと自分で持っていっとうねん』を3回くらい言った。
待ちに待った某家電量販店の配達部門の方々は、結局10時45分に来られた。
遅めではあったが、母の話がつらくて配達を待ち焦がれたのは
私のほうの主観的な事情であって、配達に関しては約束の範囲内であり、
全く苦情を言うような時刻ではなかった。
偶然だがほぼ同時刻に、訪問リハビリの女性が来られたので
母は私との話を打ち切って寝室のベッドに戻り、
父もお構いなしに自分の部屋のベッドの中でテレビを観ており、
レンジの設置は私が指示してどうにかした。
レンジ欲しいて言うたん誰やねんホンマに(--#)。
配達の方はてきぱきした良い方で、
私は食堂のテレビを切って静寂を取り戻し、
普通の大人と普通の会話をして、やっと息を吹き返した気分になった。

……帰り道、私は心密かに、例の農家の回覧板を止めてやろうと思った(逃)。
父のほうも程よくボケているので、回覧板を目にしなくなれば、忘れるだろう。
そもそも、農家版のは定期的に回って来る回覧板でないし、
そこで紹介されている業者さんから以前、除草剤を買ったことはあったが、
それも大昔のことで、もう、うちでは長い間、誰も農作業をしていない。
父の言う「農地」は休耕地になって久しいのだ。
何より、このままでは農家版回覧板が来るたびに、
母のエンドレス苦情が繰り返されることになり、私の体に大変悪い(汗)。

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