転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



昨日のポゴレリチの話のつづき。

インタビュアーからチャリティ公演などの慈善活動について
尋ねられたポゴレリチは、自分の生育歴にその源があると語っている。

「私達の家はとても深い宗教の伝統があります。私の父はキリストの弟子で、母は東正の信徒で、だから私達の観念の中で、慈善を好むのはとても重要な美徳です。」

ポゴレリチの父親はクロアチア人だから恐らくカトリック教徒、
母親のほうはセルビア人なのでセルビア正教徒だった、
ということだろうと思われる。
宗派は違っても、ご両親ともに敬虔な信者でいらしたのだろう。

「私の若い時私がとても幸運なことを知っています――私は良い先生に出会うことができて、私の日の組は重視することができて、私も助けられて、そのため私は更に返報するべきです。私の演奏の中から返報して、その他の方式でまだ返報することができなければなりません。」

ポゴレリチは、教師との出会いや自分の受けた教育が
素晴らしいものであり、自分は幸運だったと述べている。
そうやって自分が育てられ今日があることに感謝し、
自分にできる「演奏」という行為をもって
自分の受けた恩に報い、世に貢献したい、ということのようだ。

「私は永遠に私が1981年にメキシコの震災の所運営のコンサートなことを忘れることはできません。たくさんの子供はそのため両親を失って、私のコンサートは良い金を募って彼らのためにおもちゃと楽器を買うことができて、彼らの教育と慰めに。4分の1つの世紀の過去、私は台湾が障害を聞くためにと障害の児童の開催した慈善のコンサート後で、いくつか子供は舞台の上で私にまで(へ)泰迪熊とおもちゃの犬を持ちました――それでは一瞬の間、私はまるで当時のメキシコの子供を見て、今贈り物を私に返します。これは私をたいへん感動させます。これは私は舞台の上から所が最大の楽しみを得ることができるのです。」

81年のメキシコ震災被害者のためのチャリティ公演や、
その後の(25年ほど前?)台湾の障害児教育のための演奏会など、
自分の演奏とその収益が他人のために役立ったかもしれないと
思うことのできた経験は、彼にとって幸福なものだったようだ。
『いくつか子供は舞台の上で私にまで泰迪熊とおもちゃの犬を持ちました』
というのが、個人的には愉快な感じがして心惹かれる(^_^;。

「私の家庭は共産党が権力を握る前にとても富んで、だからお金は私にとってまったくめったにない事ではありません。私は金銭に対して少しも夢中になりなくて、米国とヨーロッパの消費する主義誘惑あるいは影響をも受けることはありえません。」

ユーゴで共産党体制が完成する以前、
ポゴレリチ家はかなり裕福であったようだ。
幼い頃から本格的に英語を学び、単なる教養としてピアノを習った、
というユーゴ時代のイーヴォ少年の境遇からも、
それは想像することができる気がする。

ただ、だからと言って、ポゴレリチが無欲で金銭に無頓着である、
とは、ファンとしての私には思われない。
彼の儲け方は、それなりにしたたかであると感じるからだ。
不完全な翻訳からは真意は読み取れないが、ここで彼が言いたいのは、
『自分はいくらでも稼ぐことができるが、
富むことがどういうことか、幼い頃から知っているので、
自分を見失うことはない。私は金の使い方を知っている』
みたいなことではないのかな、と想像するのだが・・・・。

「私の母方の祖父は共産党の手の政治の後で仕事権力を剥奪されて、彼にとってこの根本は彼の死刑を判定するのです。しかしあなたは彼がそれから何をすることを知っていますか?彼は道路清掃夫になって、しかしたいへん道路清掃夫になる尊厳があります。」「彼は以前はそんなに富んで、しかし彼は同様に道路清掃夫になることができて、その上とても光栄にこの仕事をします。」

ポゴレリチは以前もインタビューの中で、
自分の祖父に言及していたことがあったが、
どうやらこの人は、共産党体制の中で何か批判されることがあって、
それまでの裕福な境遇から一転して、道路清掃夫になったようだ。
しかし彼は名誉と尊厳をもってこの仕事に従事したようで、
そのこともまた、若かったポゴレリチに大切な教訓を与えたようだ。

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残念ながら、ネットでは抜粋となっていて、
ここまでしか読むことができないのだが、
今まで知らなかったことが語られている、
なかなか興味深いインタビューだったと思っている。
できれば全文が掲載されている書籍のほうを手に入れたいが、
繁体字中国語の本など持っていても何かのタシになるのか、
いや何より、無事に取り寄せることができるだろうか、
というのが、当面、かなり、不安な問題だ。

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