転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



「おいっ。あれってやっぱり、剃っとるで」
と、主人が朝、真剣な顔をして私に言った。
このように前フリなしで、いきなり指示語で話が始まるのは、
老化現象のひとつではないかと私はときどき心配になるのだが、
主人はお構いなしだった。

私「あれ、・・・って何でございましたっけ」
夫「頭、ザビエルの頭。教皇みたいな帽子かと思っとったけど、
 あれは、司祭だか司教だかの、剃髪なんやね」
私「そうなんだ?カッパの皿のように?」
夫「うん。今、フランスのドラマの『モンテ・クリスト伯』を
 観よったんやけどさ、ブゾーニ神父に変装したとき、
 ダンテスの頭、ザビエル・カットでハゲとんよ」
私「へえええ~」

言われて主人の言う録画を改めて一緒に観てみたら、
確かに、ブゾーニ神父は、ショートボブのような、
黒々と豊かな頭髪を切り整えたヘア・スタイルをしていて、
頭頂部だけが、楕円形に剃られていた。
まさに、これはフランシスコ・ザビエルの頭だ。

ネットで検索してみたところ、このヘア・スタイルは
「トンスラ(tonsure)」という名称だそうだ。
私の読んだ記事によると、司祭になるときの通過儀礼で、
俗世との交わりを断つ、ひとつのかたちとして頭頂部を剃る、
ということと、もうひとつ、キリストのイバラの冠に似せて、
頭に輪をかぶるようなスタイルに剃る、
という両方の説が書いてあった。

私は知らなかったので、つい、ここにこうして書いてしまったが、
トンスラの件は、2005年に『トリビアの泉』でも取り上げられ、
『75へぇ』だったそうだ。
もしかして有名な話でしたら、すみません。

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原爆の日のきょう、広島は未明から雷鳴が轟き、
午前7時前には、しばらく、強いにわか雨が降ったが
幸い、平和記念式典の時間までには、雨はあがった。
私の父は、相変わらず原爆資料館には絶対に行かない、
という頑固さを維持していて、式典にも出席したことがない。
こういう、語ることを敢えて一切しない被爆者の胸のうちにもまた、
語り部の方々とは違った意味で、
癒やし難い、根深いものがあると私は感じている。

一方、娘は、A中で原爆犠牲者をおぼえる礼拝があった。
A中は原爆で教職員生徒あわせて350名以上が亡くなっており、
以後、現在まで平和学習にはとりわけ力を入れている。
だが、意外なことに、礼拝は午後1時半からで、娘は結局、
午前8時15分には、いぎたなく寝こけていただけだった(--#)。
せっかく学校で集まるのに、朝から行かないでどうする、
と私は内心で思ったが、遠方から来る生徒も少なくないし、
8時15分に礼拝をやっていようと思ったら開始が8時になり、
早すぎて生徒が来たがらない(殴)、
ということかな、と思ってみたりもした。

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