転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



ネットサーフィンしていて、『歐洲鋼琴家──波哥雷里奇 訪問節録
という、ポゴレリチに関する中国語の記事を見つけた。
繁体字ということは台湾の記事だろうと思われた。

中身は、インタビューの概要のようだった。
全文はこれを収録した書籍が別に販売されているらしかった。
例によって自動翻訳の機械で読んでみたのだが。

『私は、若い有名になる利益、私の私を使うことができる評判にあるのは芸術の貢献で、わずかにこれだけですと言うことしかできません』

と、何を言うことしかできないのか完全に不明な出だしだった。
つづく段落で、アメリカなどでは芸術そのものは軽視され、
容姿やスキャンダルばかり取り沙汰されそれで芸術家が売れる、
という意味の批判をポゴレリチが展開しているので、
この箇所ではその逆のこと、つまり、
「自分の価値は、自分にできる芸術的貢献のみに、ある」
ということが言いたいのだろうと、私は脳内修正した。

このあと、ポゴレリチが自分の話の例として、
バイロン・ジャニスやヴァン・クライバーンなどの名を出すのだが、
これが中国語でなんらかの漢字を与えられているものだから、
自動翻訳にかかると、バイロン・ジャニスは「かたいニース」、
ヴァン・クライバーンは「範・クレイ本」になってしまっていた。
そういえば以前、ありましたよね、
中国語のアジアカップ公式サイトに掲載されたサッカー選手の名前が
自動翻訳のせいで大笑いになってしまった話が。

『レコード会社はまだかたいニースが範・クレイ本のすでに記録したことがあるプログラムリストを記録することを望みません』

そんな意味不明なものは私も望まないが、
前後の文脈も含めてまたまた脳内修正すると、どうやら、
「バイロン・ジャニスは優れた演奏家であったのに、
レコード会社は米国のアイドルのヴァン・クライバーンのほうを
ずっと大切に考えていたので、彼が録音した曲と同じ曲目は、
バイロン・ジャニスにはレコーディングさせないようにした」
みたいなことではないかと思われた。

そして、その次の部分には、個人的に、かなりウケた。
『チャイコフスキーはかつて彼の書簡の中で言及して、1つの米国の女性のピアニストはワイマールとリストまで(へ)何の授業に行って、米国に帰った後にリストの看板に命中して学生を教えにきて、富婆になります。』

米国のある女性ピアニストが、ワイマールのリストのところへ
ナニを習いに行って(?)、アメリカに帰ってからは『リスト直伝だ』と
ふれまわって学生にそれを教え、大もうけして富婆になった、という。
凄く、イイ響きというか、イイ字面じゃありませんか、『富婆』って。

ポゴレリチの引用によると、リスト本人はそんなに稼いでいない、
ということで、つまるところ、この抜け目ない女性はリストの名を利用し、
自分だけ大金持ちになったらしい。
リスト本人は富爺には、なれなかったのだな。

なお、これの後半は、自動翻訳ながら、かなり興味深いことが
ポゴレリチ本人によって語られている。
彼の宗教的なルーツ、ユーゴ時代の彼の生家が裕福であったこと、
彼の祖父の生き方について、等々、
日本では活字になっていない内容が出ていて、面白かった。
これについては、のちほど、改めてご紹介したいと思います。

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