転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



カクランしていたうちの子鬼は、きょうの昼過ぎに突然、
ツキモノが落ちたように熱が下がった。
これで終わってくれるだろうか(T.T)?
なんにせよ、とりあえず良かった。よよよ(T.T)。

で、今夜は広島県立総合体育館でグリーンアリーナで、
世界へおくる平和のメッセージ』が行われたので聴きに行った。
日野原重明医師と小澤征爾氏が主になって、
『生命と平和 鎮魂・祈り・希望と人間賛歌』
をテーマに、詩と音楽で平和へのメッセージを伝える、
という催しで、日野原医師の創作詩の朗読や、
ラックラン・フォロー教授のメッセージ、
それに吉永小百合氏による原爆詩の朗読、等々があり、
最後が小澤指揮によるフォーレの『レクイエム』、
という構成になっていた。

この合唱団員は2月に公募されていたのだが、
私の知人が応募し、見事オーディションに合格して、
『レクイエム』のアルト・パートに出演することになっていて、
その応援の意味もあり、合唱は大変、楽しみにして出かけた
(稽古段階では小澤氏の右腕であるキャサリン・チュウ氏らが指導し、
毎回、大変に有意義かつ厳しいものだったという話を聞いていた)。

さて、グリーンアリーナは6000人とか7000人とか収容できる、
広島では最も大きな会場のひとつだが、
そのうえ、今夜は、秋篠宮殿下・紀子妃殿下がご臨席で、
そのほうの警備もあって、会場は早くから入場整理が始まり、
開演前には上から下まで既にびっしりと席が埋まっていたのが、
なんとも壮観だった。

内容的には、今夜の音楽会は、ひとつのセレモニーだった。
休憩無しの一時間半で、杉浦圭子アナの司会により、
すべては厳粛に、穏やかに、淡々と展開し、
その雰囲気のまま、合唱団が静かに立ち上がって、
『レクイエム』の演奏になった。

バリトンはDaniel Belcher(ダニエル・ベルチャー)、
ソプラノはZhang Zhang(ザン・ザン)。
実に美しく感動的な『レクイエム』だったと思う。
解説によると、『レクイエム』というのは、本来、
死者に直接働きかけるものではなく、
魂が天国へと導かれるようにと神に祈りを捧げる歌なのだそうだ。
心に触れる名曲揃いだが、とりわけ第四曲の『ああ、イエズスよ』は、
この世にある最も美しい旋律のうちのひとつだと改めて思った。

それにしても、あのような大きな会場で歌う『レクイエム』は、
想像するに、音が散ってしまうので難しかったのではなかろうか。
知人が出演しているせいもあって、私は、
ここに至るまでの稽古の日々や、この日に賭けた思いなどを
ついつい想像してしまい、ちょっと身内的な感激すらあった。

ちなみに、管弦楽は小澤征爾音楽塾オーケストラで、
ハープで吉野直子氏がご出演だったことに気づいて、嬉しかった。
彼女もまた私にとっては、懐かしい思い出のある演奏家だ。
管弦楽や合唱など、これからも機会を捉えて、
また聴いてみたいと思った。

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