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転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



既に帰りの新幹線に乗っている。
まさに左近初舞台を観るためにだけ来た東京(笑)。
これから帰って昼過ぎには会社に行く(^_^;。

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感無量、左近初舞台!
観せて頂きました!
恐れ入りました!

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何かと気ぜわしくて記録する時間が得られていなかったが、
私はこれでも、去る5月12日に、ちゃんと(笑)
中国国家京劇院の広島公演を観た
私は二十代の頃に、それこそ今より遊びまわっていて(←どんだけ)、
中国の川劇やインドのクリヤッタム、インドネシアのトペン・マドゥラなど、
民族劇や民族舞踊の来日公演を観まくった時期があったのだが、
当時、どういうわけか生の京劇には、なかなか出会う機会が無かった。
それから随分経って、2009年から梅蘭芳を知るようになったのだが、
その頃でもまだ、京劇も歌舞伎同様に男性が女形を演るものだと
誤解をしていた程度に無知だった
(現在の京劇の女性の役柄は、普通に女優さんが演じている。
文化大革命以後、京劇のいわゆる女形は養成されなくなった)。

京劇では役者の歌が大変重要であるということを
このほど生で観て(聴いて)改めて感じた。
玉三郎が『牡丹亭』を演じたときも、
確か歌に関する部分が大きな挑戦であったと記憶しているのだが、
どの演目であっても、京劇においては役者さんそれぞれの歌の持ち味が
非常に大切な要素となっていることが、よくわかった。
また、演技としての表現方法や舞台での動き方などは、
歌舞伎もそうであるように、「踊り」「舞」として様式化されていて、
特に手や指先の使い方が、私にはとても面白く思われた。

この日の公演は、『覇王別妃』と『鳳還巣(ほうかんそう)』だったが、
どちらにおいても、女性たちが大変生き生きとした描かれ方をしていて、
どうかすると男性の役よりも、しどころが多そうな印象さえあった。
歌舞伎だと、どうしても立役のほうが話の展開を支配している面があり、
女形は華やかではあっても、受けに回ることが多いと思うのだが、
私の感触では、京劇はそういう構造にはなっていなかった。
梅蘭芳自身、男尊女卑的な価値観が残っていた時代に、
女形として女性の姿を描くことに心血を注いだ俳優だったが、
今回上演された演目のいずれを観ても、
ヒロインだけでなく、その周辺の様々な年齢設定の女たちまでもが、
それぞれに主張を持ち、物語を動かす役割を担っていることが興味深かった。

『鳳還巣』のほうの狂言回しとなる道化役で、
日本人の石川雄大氏が出演していらっしゃったことにも、感銘を受けた。
お芝居の雰囲気を初っぱなから決定する重要な役どころだった。
このかたは東京浅草出身、中国戯曲学院に留学され、
京劇界初の外国人プロ京劇俳優として、中国国家京劇院に入団なさった方だ。
素晴らしい発声と、切れ味の良い動きとを堪能させて貰った。
梅蘭芳の生誕120周年の年に、このような来日公演が実現して本当に良かった。
是非また、次の企画がされますようにと願っている。

それにしても、今回、広島公演を観に来られていた客席の方々は、
各々、どういう経緯で京劇に興味を持たれたのだろうか。
平日昼、しかも悪天候だったというのに会場は二階席までほぼ満席で、
結構、年齢層が高く男性も多いように思われた。
簡単に言うとつまり、地元にこんなに同志が多かったのかと
私は客席を眺めて勝手に感激したのだった(笑)。
それとも、何かの会での団体鑑賞みたいな企画があったのだろうか???

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(写真は、当日、私の座った三階席から見た舞台。
チケット代が厳しくて昔から三階AまたはBの常連だったのが、
長年それをやっているうちに、今では、とりあえず三階から見ないと
舞台がどうなっているのかわからない人間になってしまった(^_^;)。

團菊祭の感想を書いておこうと思いつつ、日が過ぎてしまった。
気がつけば、千秋楽まで残り一週間ほどだ。
箇条書きにケの生えた程度の内容だが、
覚えていることを今のうちに記録しておきたいと思う。

*****************

昼の部、幕開きは左團次の務める『毛抜』。
1985(昭和60)年に、なつおちゃんが團十郎を襲名したとき、
これで昭和の團菊左が揃ったと、皆が喜んだものだった。
だから、團十郎一年祭としての團菊祭の開始を、
左團次が飾ってくれたことには、大きな意味があったと思う。
粂寺弾正は器量が大きく頭の切れる男性だが、
綺麗な男の子や美しい腰元を見るとすぐ言い寄るところもあり、
それらが、左團次の貫禄と愛嬌の同居した存在感のお蔭で、
とても奥行きのある人物像になっていたと思った。

勧進帳』は、健在ならば当然團十郎の演しものだったが、
今回はそれを海老蔵が務めていた。
若々しい力に満ちた弁慶は素晴らしかった。
海老蔵の目力や、全身から放射されるオーラは大変なものがあったと思う。
菊之助の冨樫がまた絶品だったのだが、海老蔵との丁々発止の遣り取りで、
日頃の菊之助には無い激しさが引き出されていたのも面白かった。
また、四天王の顔ぶれも充実しており、特に亀三郎亀寿が揃っていたので、
私にとってはこのうえなく贅沢なことだった。
義経は芝雀。私が團十郎襲名を観たときの義経は雀右衛門だった。
時の流れを、舞台の端々に感じた。

昼の部の最後は『魚屋宗五郎』。
私にとっては、宗五郎は菊五郎の演じるものが決定版だ
隅々まで堪能させて貰った。言うことなしだった。
女房おはまは時蔵で、今回の宗五郎夫妻は私の感触では、
これまでの上演より夫婦の年齢設定を高めにしていたのではないか、
という気がしたのだが、どうだろうか。
おはまの時蔵に、菊五郎の相手役としての年輪みたいなものを感じた。
特に、宗五郎を叱るところや母親のように面倒を見るところに、
情のある女房ぶりが現れていて(しかも時蔵だから美人!)、実に良かった。

おやじさんの團蔵にも、深い味わいがあった。
前面に出るところと引くところのバランスが見事で、
ご隠居だが、宗五郎父だから「大旦那」でもあることがよくわかった。
決して偉そうにはしていないが、皆に大切にされている、という意味で。
三吉の橘太郎の切れ味も良かった。
今回の宗五郎夫婦には、このくらい巧い三吉がぴったりだと思った。
三吉もそうだが、この芝居は、宗五郎を周囲の皆が受けることで
物語の雰囲気が作られて行くものだから、まわりの配役こそが大切なのだ。
おなぎの梅枝は、しっとりと美しかった。
殿様の屋敷に奉公する身であるおなぎは、品良く行き届いた女性だが、
同時に、お蔦の朋輩であり、宗五郎たちの世界に通じる人でもある。
そのあたりの雰囲気が、梅枝のおなぎには過不足なくあったと思う。

*****************

夜の部の最初は松緑が務める『矢の根』。
私は最近、あらしちゃんに夢中だ(笑)。
荒事の魅力をふんだんに表現した、猛々しくも愛らしい曽我五郎だった。
この演目のときばかりは、私の背後にいた外国人の観客たちからも
さかんに歓声が上がり、拍手が起こっていた。
扮装といい舞台構成といい演技といい、
いかにも歌舞伎!という明るさがあった。
松緑はブログを見るといつも自己評価が低くて暗いのだが(爆爆)、
彼の舞台には他を圧倒する力があり、輝きが漲っている。
この裏腹加減、まさに役者とはかくあるべし、と私は思っている(^_^;。

夜の部の最大眼目は『幡随長兵衛』。
私は吉右衛門の演じる長兵衛が最も好きなのだが、
それはそれとして、今回の海老蔵の長兵衛には、
「侠客」というニュアンスがとてもハッキリとあって、
実に「格好いい」主役ぶりだったと思った。
こちらが海老蔵の実年齢を先入観として感じているせいか、
水野十郎左衛門(菊五郎)ほどの人物が、
若い長兵衛を自ら手に掛ける必要までは、無かったのではないか
(=手下や近藤登之助(彦三郎)に始末させれば十分だったのでは)、
……と最後にはちょっと感じてしまったのだが(逃!)、
それ以外のところは、随所に納得感のある長兵衛だった。
海老蔵も我が子の成長を見守る立場を知るようになったことだし、
子別れの場面なども含めて、今後更に、
この役にはいっそうの深まりが出て来るのではないかと思う。
左團次の息子の男女蔵、それに孫の男寅にも、
この演目では大変楽しませて貰った。
次世代・次々世代の團菊左候補が、既にこうして揃っている、
と思うと、感慨深いものがあった。

最後は菊之助の踊る『春興鏡獅子』。
昼に冨樫をやっていた人とは思えない、可憐で清楚な弥生だった。
そして獅子の精になると、勇壮なだけでなく神聖な空気すらあり、
最後、獅子の狂気を表す場面でのスケールの大きさも見事で、
菊之助が確実に、「兼ネル役者」へと成長していることがわかった。
今回は、前のように衣装の色に私の意識が向くことはなかった。
ということは、多分、普通の衣装だったのだろう(汗)。
市川宗家の『鏡獅子』を、音羽屋の菊之助が踊るという、
本当に團菊祭ならではの手応えを感じる演目だった。
いずれまた、これは海老蔵にも踊って貰いたいものだ。


……以上、また何か思い出したらここに書き足しに来るかもしれないが、
とりあえず現時点での記録として。

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(写真は、記事には直接関係ないのだが歌舞伎座の『めでたい焼き』)

早々と、10月の名古屋顔見世の演目・配役が出ていた(歌舞伎美人)。
音羽屋ファンとしては、これは行かねば。勿論、昼夜!


日本特殊陶業市民会館
平成26年10月5日(日)~27日(月)
チケット:8月6日(水)10:00よりWeb・電話受付開始


昼の部 午前11時~

一、車引(くるまびき) 11:00-11:30   
松王丸: 河原崎 権十郎
梅王丸: 坂東 亀三郎
桜丸: 中村 梅枝
杉王丸: 中村 萬太郎
藤原時平: 市川 團蔵

二、棒しばり(ぼうしばり) 12:00-12:40   
次郎冠者: 尾上 松緑
曽根松兵衛: 坂東 亀寿
太郎冠者: 尾上 菊之助

三、人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい) 1:15-2:30
左官長兵衛: 尾上 菊五郎
女房お兼: 中村 時蔵
角海老女房お駒: 尾上 菊之助
手代文七: 中村 梅枝
娘お久: 尾上 右近
角海老藤助: 市川 團蔵
鳶頭伊兵衛: 尾上 松緑
和泉屋清兵衛: 市川 左團次


夜の部 午後4時~

一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)十種香 4:00-4:50   
八重垣姫: 中村 時蔵
武田勝頼: 尾上 菊之助
腰元濡衣: 中村 梅枝
白須賀六郎: 中村 萬太郎
原小文治: 坂東 亀寿
長尾謙信: 市川 團蔵

二、身替座禅(みがわりざぜん) 5:20-6:15   
山蔭右京: 尾上 菊五郎
太郎冠者: 河原崎 権十郎
奥方玉の井: 市川 左團次

三、伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば) 6:45-8:15   
福岡貢: 尾上 菊之助
料理人喜助: 尾上 松緑
油屋お紺: 中村 梅枝
油屋お岸: 尾上 右近
今田万次郎: 中村 萬太郎
油屋お鹿: 坂東 亀三郎
仲居万野: 中村 時蔵


*****************

最初、文七元結を髪結新三と早合点し(数字と結の字しか見とらん・爆)、
全然方向違いのことを音羽屋さんに期待して萌え萌えし、
数分後に気づいて恥じ入り、脳内修正したワタクシです(爆)。
疲れているのよ自分……(^_^;。

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今年の團菊祭は、團十郎の一年祭として行われた。
一周忌でなく一年祭と考えるのは神葬祭の作法だと思うのだが
團菊「祭」に掛けての表現なのだろうか。

昼夜ともに、三演目が三つとも尋常でなく充実していて
それはそれは見応えがあった。
昼は左團次、夜は松緑が、いずれも成田屋の十八番で幕開きを務め
華やかさも申し分なかった。

海老蔵・菊之助はまさに未来の團菊、
しかも既に二人とも男児に恵まれ、
なつおちゃん(團十郎)が舞台に残したものを
これからの世代がしっかりと受け継いで行くであろうと感じ、
観客のひとりとして嬉しく思った。

音羽屋の旦那さんの演しものは奇しくも魚屋宗五郎だった。
この演目はもはや私にとって特別だ。

それにしても、なんで、なつおちゃんが出てないんだよっ(涙)
舞台のあちこち、三升紋だらけなのに、主だけが居なかったよっ(涙)


…ということで、朝、東京を発って昼に広島に着いた。
これから会社行ってきます(爆)。

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過去の、あらしちゃんの襲名披露の舞台で、
松緑の時だったか辰之助の時だったか定かでないが、
とにかく、この、「矢の根」観なかったっけか、…と、ふと思い、
しかし筋書きの上演記録を見てもそれらしいものが無く
襲名でコレは無いか、
でも二十年くらい前に、あらしちゃんで真っ赤な曽我五郎、
歌舞伎座で観た気がするんだがなと考え続け
じゃないワ、違った!あれは「曽我対面」だったね(^_^;!
と今さっき思い出した(爆爆)。

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このスケジュールで東京に来たワタシってスゴくないですか、
と我ながら思ったが(殴)、ほかならぬ團菊祭なんだよ
観ずにおれるか!

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尾上松緑長男・大河 三代目左近襲名へ 8歳でいよいよ初舞台
『歌舞伎俳優・尾上松緑(39)の長男で、三代目尾上左近を襲名する藤間大河(8)が、24日、都内で会見した。』『藤間は、東京・歌舞伎座での公演「六月大歌舞伎」(6月1~25日)に出演。「蘭平物狂」の一子繁蔵役で初舞台を踏む。会見では緊張しながらも「よろしくお願いいたします」とあいさつ。同席した尾上菊五郎(71)から「なかなかしっかりした子役です」と太鼓判を押され、笑顔を見せていた。』(4月24日デイリースポーツ)

尾上松緑の長男、「3代目尾上左近」襲名で6月初舞台
『歌舞伎俳優・尾上松緑(39)の長男・藤間大河(8)が、6月の東京・歌舞伎座の夜の部「蘭平物狂(らんぺいものぐるい)」で3代目尾上左近を名乗り、初舞台を踏むことが決定し24日、都内で会見した。』『09年10月の初お目見えから4年半。祖父・父も名乗った「左近」の名前を襲名し、“一人前”の俳優となる大河は「かっこいい名前だと思います。いろんな役になれるところが、お芝居の好きなところです」とかわいらしくあいさつ。将来演じたい役を聞かれると「(『弁天娘女男白浪』の)弁天小僧です」と答えた。』『隣に座り、心配そうな表情で息子を見守った松緑は「緊張するところがあるので、こういう(かしこまった)所に出てくるとおとなしいが、普段は活動的な子。舞台の上で何かをするというのが好きなようなので、のびのびとやってくれれば」。6月1~25日まで行われる同月の舞台では、右肩を手術し、療養中だった片岡仁左衛門(70)が8か月ぶりに復帰する。』(4月24日Livedoor News)

昨日、大河くんの左近襲名会見が行われたそうだ。
松緑と、音羽屋の旦那(菊五郎)さんも同席。
現・松緑夫人は元・宝塚80期生の珠希かほ(雪組娘役)だし、
舞台人の世界に理解があり、芸事に通じているという意味で、
大河くんにとって家庭環境も言うことなしだろう。
両親の血を引いて、生まれつき舞台に出ることが好きなようで、
早くも弁天をご希望とは、なかなか頼もしい大河くんなのだった(^^)。

それにつけても、『左近』は初代・辰之助が少年時代に名乗った名で、
現・松緑もかつてはそれを継ぎ、
今また息子の大河くんが受け継ぐことになったわけだが、
辰之助の左近に関するエピソードで、私には忘れられないものがある。
それは、辰之助がまだ幼くて、暁星学園の小学校に行っていた頃のことだ。
亨ちゃん(=辰之助)が、下校途中に靖国神社の近くを歩いていたとき、
後ろから来た大きい萬之助くん(=現・吉右衛門)が、
「おいっ!左に近いの!!」
といきなり怖い顔で呼びつけて言ったのだそうだ。
小さい亨ちゃんは、びっくりして、泣いてお家に帰った(^_^;。
後に青年になってから、当時の松緑夫人(=辰之助の母上)が
『うちの子が、萬之助にからかわれたって、泣いて帰って来たことがあった』
と仰ったが、吉右衛門はそのときのことなど全然覚えていなかったそうだ。
……いつだって、こういうことは、いじめたほうは忘れて、
いじめられたほうだけが覚えているものなのよ(^_^;。

その、小さかった亨ちゃんの、孫にあたる大河くんが、
来月、いよいよ三代目尾上左近を名乗って『蘭平物狂』の舞台に立つ。
立派に成長した息子・松緑との父子共演という夢が実現し、
それをかつての盟友・菊五郎が見守る。
あの世の辰之助は感無量だろうと思う。

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歌舞伎座『六月大歌舞伎』の案内がUPされた。
六月大歌舞伎 平成26年6月1日(日)~25日(水)(歌舞伎美人)

松緑の長男・大河くんが尾上左近を襲名する公演で、
音羽屋ファンとしては観なくてはならない(笑)のだが、
そこへもって来て、なんと有り難いことに、
仁左衛門がこの公演で復帰すると発表された
(『片岡仁左衛門さんが6月に舞台復帰』産経新聞4月3日) 。
この4月から三津五郎も歌舞伎座に帰って来てくれたし
(『坂東三津五郎 歌舞伎復帰に感慨無量』デイリースポーツ4月2日)、
これでようやく、歌舞伎が本来の歌舞伎らしくなって来たと、
私は今、とてもとても嬉しく思っている。

それで、その6月の歌舞伎座、
左近の初舞台となる夜の部最初の『蘭平物狂』は外せないし、
先日松緑で観たばかりの『素襖落』を今度は幸四郎が踊り、
更に吉右衛門が『名月八幡祭』を演るとなると、
いずれも私としては期待大、見逃せないものばかりだ。
昼は昼で、音羽屋の旦那さん(菊五郎)の『実盛物語』があるうえ、
仁左衛門復帰の鳶頭松吉@『お祭り』を観ないことには
なんのための歌舞伎座か、というところだろう。
さぁ、ワタクシのこの忙しいスケジュールのどこをどうしたら、
6月に東京に行けるのでしょうかっっ(^_^;?

*************

ときに、3月の南座に関して、もっと感想を書いておきたかったのに
昼の部夜の部、各々覚え書きのみ書いたが)、
時間が取れないまま、あっという間に日が経ってしまった。
メモ程度だが、私の印象に残っていることを
今のうちにここに記録して残しておきたいと思う。

まず、今回の南座は、花形歌舞伎の名前の通り、
若い人達の活躍が本当に素晴らしかったのだが、
中でも、松也や巳之助の力演には本当に感心した。
少し前まで、まだ十代の少年?という認識だったのに、
松也は既に主役級の役どころが務まる役者に成長していたし、
巳之助の面差しや表情を見ていると、
ああ大和屋なんだなあと、血や芸の継承をしみじみと感じた。
竹松、廣松、新悟もそれぞれ大健闘を見せてくれて、
色合いの違う役を次々とよく務めていたと思った。

亀寿の鷲尾三郎義久は爽快で最高だった。
お兄さんの亀三郎の声の良さにばかり私は気を取られていたが(^_^;、
弟の亀寿の芸を今回初めてゆっくりと見せて貰う機会が得られ、
この兄弟の持っている輝きや覇気といったものに感じ入った。
これから楽しみに観たいと、遅ればせながら思った。
亀三郎の直木吉は、格好良すぎてシビれた。

萬次郎は昔から大きな目がチャーミング(笑)だったが、
今回の女鯰の美しさはまた年齢不詳で、しかも愉快だった。
松之助の存在感も素晴らしかった。
常陸坊海尊が腰を落として控えている風情だけでも雰囲気があって見事で、
これがあの2月の『心謎解色糸』の番頭さんと同じ人だとは
到底信じられない(!)変幻自在ぶりだった。
全く別人といえば橘太郎も今回は昼夜だけでもガラリと変わって、
舞台の楽しさを満喫させて貰った。

彦三郎もまた、さすがの貫禄で台詞そのものは素晴らしかったのだが、
3月24日に関しては、間合いなどの微妙なところで、
もしやお疲れか?という不安が微かにだが感じられた。
長い公演期間中には、きっとどの役者さんにも様々なことがあるのだろう。
團蔵の蝙蝠安は前回も書いたとおり、私が非常に楽しみにしていたもので、
期待に違わぬ出来映えでこれまた惚れ直した。
菊五郎劇団の蝙蝠安だな……という手応えを随所に感じた。
権十郎のメリハリの良い台詞も久々に堪能させて貰った気分だった。
第一声で、おっ、誰?と思うと権十郎で、やっぱりね、
と心の中でニンマリするような瞬間が私はとても楽しい。
やはり権十郎の舞台は、こうでなくては。

もっといろいろ丁寧に書いておきたいと思うのだが、
いかんせん、時間がない……(T_T)!!

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