転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



歌舞伎座『六月大歌舞伎』の案内がUPされた。
六月大歌舞伎 平成26年6月1日(日)~25日(水)(歌舞伎美人)

松緑の長男・大河くんが尾上左近を襲名する公演で、
音羽屋ファンとしては観なくてはならない(笑)のだが、
そこへもって来て、なんと有り難いことに、
仁左衛門がこの公演で復帰すると発表された
(『片岡仁左衛門さんが6月に舞台復帰』産経新聞4月3日) 。
この4月から三津五郎も歌舞伎座に帰って来てくれたし
(『坂東三津五郎 歌舞伎復帰に感慨無量』デイリースポーツ4月2日)、
これでようやく、歌舞伎が本来の歌舞伎らしくなって来たと、
私は今、とてもとても嬉しく思っている。

それで、その6月の歌舞伎座、
左近の初舞台となる夜の部最初の『蘭平物狂』は外せないし、
先日松緑で観たばかりの『素襖落』を今度は幸四郎が踊り、
更に吉右衛門が『名月八幡祭』を演るとなると、
いずれも私としては期待大、見逃せないものばかりだ。
昼は昼で、音羽屋の旦那さん(菊五郎)の『実盛物語』があるうえ、
仁左衛門復帰の鳶頭松吉@『お祭り』を観ないことには
なんのための歌舞伎座か、というところだろう。
さぁ、ワタクシのこの忙しいスケジュールのどこをどうしたら、
6月に東京に行けるのでしょうかっっ(^_^;?

*************

ときに、3月の南座に関して、もっと感想を書いておきたかったのに
昼の部夜の部、各々覚え書きのみ書いたが)、
時間が取れないまま、あっという間に日が経ってしまった。
メモ程度だが、私の印象に残っていることを
今のうちにここに記録して残しておきたいと思う。

まず、今回の南座は、花形歌舞伎の名前の通り、
若い人達の活躍が本当に素晴らしかったのだが、
中でも、松也や巳之助の力演には本当に感心した。
少し前まで、まだ十代の少年?という認識だったのに、
松也は既に主役級の役どころが務まる役者に成長していたし、
巳之助の面差しや表情を見ていると、
ああ大和屋なんだなあと、血や芸の継承をしみじみと感じた。
竹松、廣松、新悟もそれぞれ大健闘を見せてくれて、
色合いの違う役を次々とよく務めていたと思った。

亀寿の鷲尾三郎義久は爽快で最高だった。
お兄さんの亀三郎の声の良さにばかり私は気を取られていたが(^_^;、
弟の亀寿の芸を今回初めてゆっくりと見せて貰う機会が得られ、
この兄弟の持っている輝きや覇気といったものに感じ入った。
これから楽しみに観たいと、遅ればせながら思った。
亀三郎の直木吉は、格好良すぎてシビれた。

萬次郎は昔から大きな目がチャーミング(笑)だったが、
今回の女鯰の美しさはまた年齢不詳で、しかも愉快だった。
松之助の存在感も素晴らしかった。
常陸坊海尊が腰を落として控えている風情だけでも雰囲気があって見事で、
これがあの2月の『心謎解色糸』の番頭さんと同じ人だとは
到底信じられない(!)変幻自在ぶりだった。
全く別人といえば橘太郎も今回は昼夜だけでもガラリと変わって、
舞台の楽しさを満喫させて貰った。

彦三郎もまた、さすがの貫禄で台詞そのものは素晴らしかったのだが、
3月24日に関しては、間合いなどの微妙なところで、
もしやお疲れか?という不安が微かにだが感じられた。
長い公演期間中には、きっとどの役者さんにも様々なことがあるのだろう。
團蔵の蝙蝠安は前回も書いたとおり、私が非常に楽しみにしていたもので、
期待に違わぬ出来映えでこれまた惚れ直した。
菊五郎劇団の蝙蝠安だな……という手応えを随所に感じた。
権十郎のメリハリの良い台詞も久々に堪能させて貰った気分だった。
第一声で、おっ、誰?と思うと権十郎で、やっぱりね、
と心の中でニンマリするような瞬間が私はとても楽しい。
やはり権十郎の舞台は、こうでなくては。

もっといろいろ丁寧に書いておきたいと思うのだが、
いかんせん、時間がない……(T_T)!!

Trackback ( 0 )



« I was silly, ... 花見 »