転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



尾上松緑長男・大河 三代目左近襲名へ 8歳でいよいよ初舞台
『歌舞伎俳優・尾上松緑(39)の長男で、三代目尾上左近を襲名する藤間大河(8)が、24日、都内で会見した。』『藤間は、東京・歌舞伎座での公演「六月大歌舞伎」(6月1~25日)に出演。「蘭平物狂」の一子繁蔵役で初舞台を踏む。会見では緊張しながらも「よろしくお願いいたします」とあいさつ。同席した尾上菊五郎(71)から「なかなかしっかりした子役です」と太鼓判を押され、笑顔を見せていた。』(4月24日デイリースポーツ)

尾上松緑の長男、「3代目尾上左近」襲名で6月初舞台
『歌舞伎俳優・尾上松緑(39)の長男・藤間大河(8)が、6月の東京・歌舞伎座の夜の部「蘭平物狂(らんぺいものぐるい)」で3代目尾上左近を名乗り、初舞台を踏むことが決定し24日、都内で会見した。』『09年10月の初お目見えから4年半。祖父・父も名乗った「左近」の名前を襲名し、“一人前”の俳優となる大河は「かっこいい名前だと思います。いろんな役になれるところが、お芝居の好きなところです」とかわいらしくあいさつ。将来演じたい役を聞かれると「(『弁天娘女男白浪』の)弁天小僧です」と答えた。』『隣に座り、心配そうな表情で息子を見守った松緑は「緊張するところがあるので、こういう(かしこまった)所に出てくるとおとなしいが、普段は活動的な子。舞台の上で何かをするというのが好きなようなので、のびのびとやってくれれば」。6月1~25日まで行われる同月の舞台では、右肩を手術し、療養中だった片岡仁左衛門(70)が8か月ぶりに復帰する。』(4月24日Livedoor News)

昨日、大河くんの左近襲名会見が行われたそうだ。
松緑と、音羽屋の旦那(菊五郎)さんも同席。
現・松緑夫人は元・宝塚80期生の珠希かほ(雪組娘役)だし、
舞台人の世界に理解があり、芸事に通じているという意味で、
大河くんにとって家庭環境も言うことなしだろう。
両親の血を引いて、生まれつき舞台に出ることが好きなようで、
早くも弁天をご希望とは、なかなか頼もしい大河くんなのだった(^^)。

それにつけても、『左近』は初代・辰之助が少年時代に名乗った名で、
現・松緑もかつてはそれを継ぎ、
今また息子の大河くんが受け継ぐことになったわけだが、
辰之助の左近に関するエピソードで、私には忘れられないものがある。
それは、辰之助がまだ幼くて、暁星学園の小学校に行っていた頃のことだ。
亨ちゃん(=辰之助)が、下校途中に靖国神社の近くを歩いていたとき、
後ろから来た大きい萬之助くん(=現・吉右衛門)が、
「おいっ!左に近いの!!」
といきなり怖い顔で呼びつけて言ったのだそうだ。
小さい亨ちゃんは、びっくりして、泣いてお家に帰った(^_^;。
後に青年になってから、当時の松緑夫人(=辰之助の母上)が
『うちの子が、萬之助にからかわれたって、泣いて帰って来たことがあった』
と仰ったが、吉右衛門はそのときのことなど全然覚えていなかったそうだ。
……いつだって、こういうことは、いじめたほうは忘れて、
いじめられたほうだけが覚えているものなのよ(^_^;。

その、小さかった亨ちゃんの、孫にあたる大河くんが、
来月、いよいよ三代目尾上左近を名乗って『蘭平物狂』の舞台に立つ。
立派に成長した息子・松緑との父子共演という夢が実現し、
それをかつての盟友・菊五郎が見守る。
あの世の辰之助は感無量だろうと思う。

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