転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



昨日、紀伊國屋書店で偶然手にして買った文庫本が、
京劇の女形・梅蘭芳の生涯を描いた映画のノベライズで、
すぐに読み終え、是非この映画を観てみたいと思った。

映画『花の生涯――梅蘭芳』(公式サイト)

梅蘭芳については私は全く詳しくないのだが、
坂東玉三郎が彼を以前から非常に深く敬愛しており、
一年前、京都南座で日中合同公演を行ったとき、
報道された一連の模様を、偶然に私は舅宅のテレビで観て、
以来、非常に強く印象に残っていたのだ。

ハイビジョン特集 女形という夢 坂東玉三郎と梅蘭芳(NHK)
北京の春をあでやかに装う玉三郎の崑劇公演(人民中国)

玉三郎は今年は蘇州でも『牡丹亭』を公演し、
引き続き高い評価を得たようだ。

昆劇『牡丹亭』公演終了「日本の梅蘭芳」から啓発(チャイナネット)

昨夜、ノベライズを読んでまず連想したのは、
『一将(いっしょう)功成りて万骨(ばんこつ)枯る』
という言葉だった。
梅蘭芳という巨大な天才が立つためには、多大な犠牲があった。
偉大な師も、将来を嘱望された友人も、才気溢れる恋人も、
皆、彼の才能の下にその身を埋めたに等しかった。
本人は、決してそのようなことを望まなかった、
むしろ周囲の幸福を願ったにも関わらず、
才能とは、実に残酷で、人の意志や計画などを超えた強大なものだった。
それは周囲の人々をなぎ倒し、関わった人を容赦なく惹きつけて大成する。
世の中がその才能を求め、その勢いは誰にも止めることは出来ないのだ。
・・・ということを、本を読んで、私は強く思った。


ってことで、映画『花の生涯――梅蘭芳』を観たいのが、
これ広島では、やってないぢゃないの(--#)。

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