元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

中屋万年筆入荷

2008-08-23 | お店からのお知らせ
個性がないと言われる日本の万年筆業界において孤高の存在とも言える中屋万年筆が数本入荷してきました。
今までご注文を受けてお作りしたり、少量だけ入荷してきたことはありましたが、あまりにも早く売れてしまい、当店に中屋万年筆があった時間が短く、寂しく思っていました。
この店を始めた時から中屋万年筆のことはずっとイメージしていて、この店でぜひ扱いたいと思っていました。
シンプルで何の装飾のないすっきりとしたラインのボディはエボナイトの素材で、柔らかな印象があり、そこを漆でキリッと仕上げられています。
シンプルなデザインに素材感のある万年筆と考えた時に、それに該当するものがありませんでしたが、中屋万年筆が今の形になって、登場した時、やっと世界に通用する日本の実用万年筆が出てきたと思いました。
最近では様々な装飾オプションによりさらに雰囲気のある個性的なものに仕上げることが可能になっています。
ペン先の色は標準仕様の金色のペン先の他に、、金と銀色のバイカラー、シルバー一色のロジウム仕上げ、黒っぽく渋いルテニウム仕上げなど、ペン先とボディカラーのコーディネイトをすることができますし、30年以上前の万年筆にはよく施されていた象嵌も首軸に埋め込むこともでき、キャップを開けたときの印象を強くする力になっています。
クリップもいぶしクリップやロジウムクリップなど、金以外のものも選ぶことができ、様々な組み合わせが可能になっています。
通常はオーダー後3ヶ月かかると言われている中屋万年筆の多くの組み合わせの中で、良いと思える組み合わせをオーダーし、すぐにお渡しできるものが出来上がってきましたのでぜひ見に来てください。