殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

母二人

2023年04月29日 08時19分00秒 | みりこんぐらし
ゴールデンウィーク、始まりましたね!

毎年この時期になると、なぜかワクワクしてしまう私。

これといったお楽しみの予定があるわけじゃないけど

大好きな新緑、過ごしやすい気候、そして若かりし頃の楽しい思い出が

そうさせるのでしょう。


今日は、実家の母のベッドを買いに行きます。

病気はおろか肩凝りすら知らない元気印のまま、一人暮らしを続けてきた母も89才。

腰痛が出てきたので、今月半ばから通院の送迎をしています。

私が実家にかまけるので、義母ヨシコが不安定になって寝込みましたが

今は慣れて落ち着いています。


母の診断結果は、椎間板ヘルニア。

朝の数時間がものすごく痛いそうで、医師からは

「痛みが引かないようならブロック注射か手術しか無い」

と言われました。

が、そこは高齢者、安易に治療すると生命の危険が出てくるため

病院も躊躇して、鎮痛剤を少しずつ増やしながら様子を見ているところです。


そこでとりあえず、ベッドを買うことにしました。

というのも、母は布団派です。

朝は痛みで立ち上がれないため、這ってトイレに行くのですが

ほふく前進を続けるうちにヒジがすりむけ、そっちの痛みまで加算されました。


診察室でダブルの辛さを延々と訴えても、医師は困るばかりでラチがあかないので

「ベッドにしてみたら?」

私が言うと、医師は驚きました。

「ベッドじゃないんですかっ?そりゃ起きられんわ。

布団じゃダメですよ…ベッドにしてください」

医師は、腰痛の老人が布団で寝ていることに驚いたと同時に

思わぬ手段が見つかってホッとした様子でした。


そういうわけで、ベッド買わなきゃ。

置き場所は、一階の祖父の部屋に決定。

母は祖父が生きていた頃と同じく、ずっと二階の自室で寝ていたので

その生活スタイルも変えると決定。

寝具と寝室を変えるとなったら、部屋の模様替えもすることになるため

この連休は実家通いになりそうです。



さて話は変わりますが、5年前の西日本豪雨で

ボランティアをしたのがきっかけとなり

1年前、関東から隣のそのまた隣の市へ移住してきた30代のK青年が

この度、市議選に立候補したことはお話ししました。

そして70代のハッスルレディ、レイ子さんとそのお仲間が

ポスター貼りのお手伝いをすることもお話ししました。


やがて選挙戦が始まると、レイ子さんはK君のポスターを貼って歩きながら

「お仲間シリーズ」という動画を撮影しては、私に送信してくれたものです。

K君と一緒に掲示板に並ぶ立候補者のポスターの中から

これは!という人を選び出して、楽しくレポートするのです。


「こちらは◯◯◯◯さん。

背景が樹木葬のようですね。

このまま天国へ連れて行ってもらえそうな安らぎを感じます」

「◇◇◇◇さん…ポスターには、市民を守ると書いてございます。

とっても頼もしいですね。

いざとなったら自分だけを守らないようにしていただきたいものです」

おしゃべり上手な彼女のレポートは、そりゃもう面白く

私は動画が届くのを楽しみに待った一週間でした。


さてK君の結果は予想通り、見事落選。

地元に知り合いがほとんどいない彼のために

関東から数人の友だちが駆けつけて彼の選挙を手伝ったそうですが

どなたも投票権が無いため、残念ながら当選には及びませんでした。


ただ、ある程度の票はあったので30万円の供託金は返還され

ポスターの制作費用その他、選挙にかかったお金も税金から戻ってきます。

立候補を知る者としては、ひとまず安心というところです。


が、落ちた後がいけんかったですな。

思いつきで立候補して落選する人にありがちなことですが、後始末がマズい。

SNSで、「皆さん、お世話になりました。ありがとうございました」

サラリとしたお礼の言葉に続き、早くも別の活動に手を出す旨を発表。

選挙のことは、それっきり。


年配のレイ子さんは、その薄口な対応を残念に思いました。

「ボランティアは承知でやったんだから、感謝してもらいたいわけではない…

だけど応援してくれた地元の人たちや遠くから来てくれた彼の友だちにも

その態度ではあまりにも失礼ではないのか…」

その点が、レイ子さんの感じる残念な部分です。


私も同感でした。

しかしこれはもう、世代の違いかもしれません。

私ら年寄りと若者では、SNSの重さが違います。

私らはSNSといったら遊びと受け止めていて

その遊び道具で「ありがとう」と言われたら、「ざけんなよ」と思ってしまうけど

若い人にはSNSだのインスタだのが、その人の全てを現す重要なものなのかも。


だけど、やっぱり選挙でこれはアカン。

手伝ったり投票するのは、若い人だけじゃないもの。

年齢層を考えないとね。


何だかスッキリしないレイ子さんは

選挙用に立ち上げたグループLINEを脱会することにしました。

「選挙が終わったので、抜けさせていただきます。

K君のさらなる飛躍を心からお祈りしています」

LINEには、そんなはなむけの言葉を添えたそうです。


それに対するK君の返事は

「ごめんなさい、今までお世話になりました」

以後、K君はSNSでレイ子さんをブロック。

彼女との個人的な電話もLINEもブロック。


K君の母親代わりを自負していたレイ子さんにとって

この仕打ちは衝撃でした。

彼女にしてみれば、グループLINEを抜けることに関して

お互いを思いやった温かいやり取りが行われ

最終的にK君が、自身のそっけないやり方を省みて

次に活かしてくれたら…と思っていたのです。

しかし速攻で遮断されたら、とりつく島もありません。

そこで、どうしようもない気持ちを私に打ち明けたというわけです。


同じ年配者として、レイ子さんの気持ちはよくわかります。

若者の無謀な挑戦をボランティアで手伝い

「お礼の言葉が聞きたかったらインスタ見てね」

じゃあ、バカにされて使い捨てられた気がするのも無理はありません。


が、LINEをブロックしたK君の気持ちもわかるような気がするのが

私の物悲しいところ。

彼は子供の頃に母親を亡くし、父親に育てられていますが

こういう子は人との距離の調節がヘタ。

私がそうだから、わかります。

もちろん例外もあると思いますけど

幼い時に、一番大切な母親との絆を不可抗力によってぶち切られたら

その他の人のことはあんまり考えられなくなって

人との絆を大切に紡いでいく…その根気や誠意が育たないんです。

だから自分のためを思って口うるさく言ってくれる人や

自分に対して思わしくない態度の人を容赦なく切り捨ててしまう。


私もこの性分によって、数々の失敗を重ねてきました。

それでも何とか努力して、一応は年相応の人付き合いができるようになったと

自分では思っています。

できるというより、自分の子供を教材に少しずつ学んで

どうにかそれらしく装うのがうまくなってきたという感じです。

ましてや彼は一人っ子、しかも独身で若いので

この傾向が強いと思いますが、それにしてはまだ彼は、よくやっている方だと思います。


選挙中のレイ子さんは、K君のお手伝いをしながら

ものの考え方や心構えについても、彼に色々とアドバイスしてきました。

彼女から、その細やかな指導をつづったLINEを見せてもらいましたが

微に入り細に入り、まさに母親のようでした。


だけど母親のいない子には、マジでわからんのですよ。

「オバさんが何か面倒くさいこと言ってら〜」

くらいの受け止め方で、ありがたいとは思わない。

両親が長く健在だったレイ子さんに説明しても

こればっかりはわかってもらえないと思うので言いませんが

K君が私と同じ、母親亡くした組合の組合員だとしたら

昔の私のように、口うるさい人と縁を切ってせいせいしているかもしれません。


では、楽しいゴールデンウィークをお過ごしください。

最後になって申し訳ありませんが、お仕事のかた、お疲れ様です。

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