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チョ・ソンギル氏の韓国入国が事実として公式に確認されても、南北関係に否定的な影響を及ぼす重要変数としては作用しないだろう」と述べた。

2020-10-08 | 「北朝鮮問題」の解決のために
[ニュース分析]元駐イタリア北朝鮮大使代理の韓国入国、
南北関係への影響は限定的

登録:2020-10-08 06:07 修正:2020-10-08 07:45


北朝鮮のチョ・ソンギル氏、昨年韓国入国 
元駐イタリア北朝鮮大使代理の任務 
テ・ヨンホ元駐英公使より職級が低い「一等書記官」 
2年前に行方不明…昨年7月に入国 
北朝鮮に娘が送還…公開の動きを一切せず

         

チョ・ソンギル駐イタリア北朝鮮大使代理(中央)が2018年3月20日(現地時間)、イタリアのサン・ピエトロ・ディ・フェレットで開かれた文化イベントで「ロベレトの平和の鐘」を持っている=サン・ピエトロ・ディ・フェレット/AP・聯合ニュース

 2018年11月から行方不明だった北朝鮮のチョ・ソンギル元駐イタリア“大使代理”が、昨年7月に韓国に入国した事実が遅れて確認された。国会情報委員会の委員長である共に民主党のチョン・ヘチョル議員は7日、「チョ元大使代理が昨年7月、韓国に自発的に来た」と明らかにした。これに先立ち、国会情報委員会の幹事である野党「国民の力」のハ・テギョン議員も6日夜、「チョ・ソンギル元大使代理は昨年7月に韓国に入国し、当局が保護していることが分かった」と明らかにした。高位外交官の入国の事実が公開されたが、チョ元代理大使の経歴と情勢を考慮する場合、彼の韓国入国が南北関係に波紋を起こすことについては限定的だという見通しが出ている。

 政府はチョ元代理大使の韓国入国について、公式・非公式を問わず何の確認もしないでいる。特定の脱北民の韓国居住の有無を公開・公式には確認しない“原則”の延長線だ。カン・ギョンファ外交部長官はこの日、国会で開かれた外交統一委員会の外交部国政監査で「外交部が果たす役割は十分に務めたが、詳細の内容は返答できない」とし、「外交部が公開して確認する事案ではない」とだけ明らかにした。

 チョ元代理大使は帰任を控えた2018年11月10日、イタリア大使館を抜け出し、夫人と共に姿を消した後、これまで行方が分からなかった。チョ元代理大使の職級は「一等書記官」だが、2017年9月の北朝鮮の6回目の核実験の後、イタリア政府が国連制裁を理由に当時のムン・ジョンナム大使を追放すると、「大使代理」の役割を務めていた。イタリア外務省は昨年2月、チョ元代理大使の娘が北朝鮮に送還されたと明らかにした。

 多くのメディアは「チョ元代理大使の韓国入国」を受け、「ファン・ジャンヨプ氏以後で最高位級の亡命」だとか「南北関係に大きな波紋を起こす大型事件」だと報道したが、事実関係を確かめてみる必要がある。チョ元代理大使は「一等書記官」で、駐英大使館の公使を務め韓国に来た国民の力のテ・ヨンホ議員より職級が低い。「大使代理」は職級ではなく“臨時任務”だ。北朝鮮の外交に詳しい消息筋は「北では大使が空席の場合、その下位の職級者に『臨時代理大使』の任務を臨時に付与する」と伝えた。北朝鮮大使館の職制は原則的に「大使‐公使‐参事‐書記官」などの順で構成されているが「予算不足のために公使と参事が抜け「大使‐書記官」など3~4人の外交官のみで運営される場合が珍しくない」と別の消息筋が伝えた。消息筋は「チョ・ソンギル氏は高位級ではない実務外交官」だとしながら「あえて他の脱北民との違いを探そうとするならば、韓国に来た事例が多くない『北朝鮮外務省所属の正式な外交官』だという事実」だとした。

 チョ元代理大使の入国の事実が南北関係に重大な変数になるだろうという見通しについても、不適切だという指摘が出ている。テ・ヨンホ議員の先例に比べると、当事者と政府の経歴の相違点が明確だからだ。

 テ議員の韓国入国の事実は2016年8月17日、当時の朴槿恵(パク・クネ)政権の統一部が報道官の公式記者会見を通じて「今まで脱北した北朝鮮外交官の中で最高位級」だとし、メディアに大々的に宣伝した。テ議員も公の場で北朝鮮を批判するなど活発に活動してきた。

 一方、チョ元代理大使は、2019年7月に入国してから15カ月目で、当事者や政府は全員口を固く閉ざしている。 チョ元代理大使は国内の脱北民コミュニティーにも全く姿を見せなかったという。彼の“徹底的な隠居”には、北に送還された幼い娘を含む北朝鮮在住の家族が可能な限り“不利益”をより受けないようにする配慮が作用したようだ。

 「吸収統一の排除」を公言し、2018年に3回の首脳会談など南北関係の改善に努めてきた文在寅(ムン・ジェイン)政権としても、「チョ・ソンギル氏の韓国入国」を国内政治目的に活用する理由がないというのが専門家の全体的な指摘だ。元高官は「当事者と政府が沈黙し、注意深い動きを示しており、チョ・ソンギル氏の韓国入国が事実として公式に確認されても、南北関係に否定的な影響を及ぼす重要変数としては作用しないだろう」と述べた。
イ・ジェフン、キム・ジウン、チョン・ファンボン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


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