安倍首相の「連続外交」狙いは何?
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安倍首相は日本を「戦争ができる国」にしようとし、第二次世界大戦後の日本がまとい続けてきた平和外交の衣を脱ぎ捨ててボロボロにしようとしている。画像出典:「中国日報」 |
▽安倍首相の外交ショー
日本の安倍晋三首相は「地球儀を俯瞰する外交」を続けており、世界で注目を集める出来事に対し、ますます積極的に日本の意見をうち出している。
日本紙「産経新聞」の報道によると、安倍首相は7日に行われる主要国首脳会議(サミット、G7)に出席し、テロ対策、ウクライナ危機、南中国海、気候変動など注目を集めるテーマについて、各国と意見を交換する予定だ。
安倍首相は3日にオーストラリアのケビン・アンドリューズ国防相と会談した際にも、日本の野心を明らかにしている。日本の共同通信社の報道によると、日本 は安全保障法制を整備して自衛隊の活動範囲・内容を拡大しようとしており、日豪は防衛協力の強化で一致した。朝鮮民主主義人民共和国の核問題や中国の海洋 活動の活発化といったグローバルな安全保障環境の変化を考慮して、双方は密接に協力を展開することを改めて確認した。
今月2日から4日にかけて、フィリピンのベニグノ・アキノ3世大統領が日本を訪問したことにより、日本とフィリピンが接近するのではないかとの憶測を呼ん だ。日本紙「読売新聞」は、「中国と南中国海で対立するフィリピンは、防衛面で高い科学技術を備える日本との協力を重視する。日本政府も首脳会談を通じ、 自衛隊とフィリピン軍との交流を拡大することを確認したい意向だ」と伝えた。
安倍首相は日本の欧州での存在感の薄さをなんとかしようと、今月5日に日本の首脳として初めてウクライナを訪問した。日本は年内にも同国のポロシェンコ大統領の訪日を実現させたい考えだ。
安倍首相は視野を遠くまで広げただけでなく、実際の行動でも「船を借りて海に出」ようとしている。憲法改正、集団的自衛権行使の容認だけでなく、今月1日 には自衛隊が中東地域とインド洋で米軍を支援する事態を想定していると発言。安倍首相が現行法の地理的範囲の制約を取り払う「重要影響事態」をめぐり、日 本周辺以外の実例を挙げたのはこれが初めてのことだ。
欧州から東南アジアまで、太平洋からインド洋まで、安倍首相は世界できらびやかな外交ショーを繰り広げている。
▽「ダイヤのセーフティネット」を構築
メディアが伝えたところによると、安倍首相の一連の会談はいずれも二国間の防衛協力の強化を狙ったもので、ここから太平洋、インド洋における「ダイヤモンドのように硬いセーフティネット」を構築するという安倍首相の戦略の加速がうかがえる。
安倍首相の最近の「連続」した動きをみると、どの動きもハワイ、オーストラリア、インド、東南アジアとの間で太平洋・インド洋にダイヤ型セーフティネット を構築する戦略と関係があることがわかる。その背後に隠されているのは、日本自身の利益だ。日本のテレビ局・日本放送協会(NHK)の津屋尚解説委員は、 日本の現在のオーストラリアとの協力は、「オーストラリアが太平洋においてもインド洋においても地理的に重要な位置にあることが理由だ」と話す。
日米両国は4月に行われた日米安全保障協議委員会で「日米防衛協力指針」(ガイドライン)を見直し、自衛隊の活動範囲を世界全体に拡大した。
中国社会科学院日本研究所の高洪副所長は取材に答える中で、「日本の野心は明々白々だ。安倍首相は同盟関係を土台に米国との軍事協力を拡大し、自衛隊の『常態化』を徐々に推し進め、日本を(戦争ができる)『普通の国』にしようとしている」と述べた。
また日本は「中国の脅威」を理由として軍備拡張の道を切り開こうとする。南中国海海域外の国でありながら南中国海の混乱に関与し、日本に「1本の矢でたく さんの成果を挙げる」メリットをもたらそうとしている。米国の「アジア・太平洋リバランス政策」に合わせて、南中国海の安全保障でより大きな役割を演じ、 日本の海上エネルギー輸送ルートの運航を維持し、フィリピンから日本の安保法制に対する支援を取り付けようとしている。
安倍首相のウクライナ訪問にせよ、アキノ大統領の日本訪問にせよ、安倍首相の行動におけるキーワードは常に「日本の利益」だ。
▽甲斐なし、成果なし、することなし
安倍首相はあらゆる手段を尽くして「連続外交」と「ダイヤのセーフティネット構築」を進めるが、これ無駄な取り組みに終わる可能性が高い。
世界の国々は安倍首相の企みをよくわかっており、日本自身もよくわかっている。たとえば日本紙「朝日新聞」は、「国際社会で日本の軍事的な関与が強まれば、それだけテロの危険も高まるだろう」と懸念を表明する。
安倍首相は世界の中で日本の力を示そうとしているが、実際には米国の駒になるだけだ。メディアの分析によると、米国の「アジア・太平洋リバランス政策」の 実施には、日本のような重要な突撃兵が勢いよく切り込むことがぜひとも必要であり、安倍首相が進める軍国主義路線が順調にいけば、米日が「ぐる」になって お互いに利用し合う結果になるという。
高副所長は、日本が「中国の脅威」を理由にして自国の発展をはかろうとする企みは実現不可能であるとの見方を示し、「日本がせせこましい動きをするのは昨 日今日に限ったことではない。だがこれほど長い時間をかけても成果があったかどうかは、誰でもよく知っていることだ」と話す。津屋解説委員も、「今の世界 ではどの国も中国経済と密接な関わりをもっており、中国を完全に封じ込めることなどできない」と話す。
高副所長は、「安倍首相の連続した外交とせせこましい動きによって世界での影響力を高めようとする企みは実現不可能だ。歴史に誠実に向き合い、実力を高めることだけが、日本の発展を実現するための唯一の法則だ」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年6月7日