文大統領、インド・シンガポール歴訪で新南方政策を本格化
「シンガポール・レクチャー」で
朝鮮半島とASEANの平和と繁栄を強調
インド現地のサムスン電子工場んお竣工式で
イ・ジェヨン副会長と遭遇する可能性も
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が8日から5泊6日間のインド・シンガポール歴訪で、新南方政策に拍車をかける計画だ。さらに、シンガポールではベルリン宣言1周年を記念し、「シンガポール・レクチャー」で朝鮮半島とASEANの共同平和繁栄を強調する予定だ。
ナム・グァンピョ国家安保室2次長とキム・ヒョンチョル経済補佐官は5日、記者団に「文大統領が8日から13日までインドとシンガポールを国賓訪問する」としたうえで、「今回の歴訪は、文大統領が強調している新南方政策を本格的に推進し、これを加速化する契機になるだろう」と述べた。新南方政策は、文大統領が2017年11月に初めて発表した政策として、ASEAN諸国との協力のレベルを高め、米国や中国、日本、ロシアなど周辺4大国のレベルに引き上げる政策だ。インドは文大統領が就任後初めて訪問した西南アジア国家で、シンガポールは韓国大統領としては15年ぶりの訪問だ。
文大統領は、インド訪問で情報通信(IT)や医学、宇宙工学などの分野で協力を強化する予定だ。大統領府関係者は「インドは新南方政策の終着点であり、情報通信や医学、宇宙工学分野で世界5大科学技術強国」とし、「今回の訪問は我々の製造応用技術とインドの基礎科学のオリジナル技術を結合し、新しい成長の動力を見出そうとするものだ」と話した。彼は「インド訪問で、既存新南方政策の重点分野の人(People)、平和(Peace)、共生繁栄(Prosperity)の3Pに、未来とシナジーという『3Pプラスα』の戦略で臨む計画だ」と話した。大統領府は、両国の主要財界の関係者たちが参加する韓印ビジネスフォーラムのほか、インドの400あまりの中核経済界の代表が出席する最高経営者(CEO)ラウンドテーブルも設け、両国の経済協力に重点を置いている。文大統領は最近、30人目の解雇労働者が犠牲になった双龍自動車問題と関連し、双龍自動車の大株主であるインドのマヒンドラ・グループ会長とも最高経営者ラウンドテーブルで会談するとみられる。大統領府関係者は「マヒンドラ・グループ会長とラウンドテーブルで遭遇する場面はあるが、(双龍自動車問題)の解決に向けた別途のミーティングはない」と話した。
文大統領は9日、サムスン電子のノイダ新工場の竣工式に出席し、10日にはナレンドラ・モディ首相と首脳会談を行う。特に9日のノイダ工場の竣工式ではサムスン電子のイ・ジェヨン副会長と遭遇する可能性もある。大統領府関係者は「イ副会長は経済使節団には含まれていない」としながらも、「しかし、個別企業の工場の竣工式なので、イ副会長が出席する可能性が高い」と話した。しかし、大統領府はイ副会長との面会の計画はないと明らかにした
文大統領は、シンガポール訪問では、シンガポールの指導層を対象にした「シンガポール・レクチャー」を行う。シンガポールは先月の朝米会談が行われたところだ。大統領府関係者は「文大統領が新南方政策を繰り返し強調し、朝鮮半島の平和と繁栄をアジアの平和と繁栄がどう結びついているのかを説明し、協力を呼びかけるメッセージを伝える」と話した。文大統領は昨年7月、ドイツ・ケルバー財団での演説で、平昌(ピョンチャン)冬季五輪への北朝鮮の参加や、朝鮮半島の非核化と平和に向けた南北対話の再開、相互の敵対行為の中止などを提案するいわゆるベルリン宣言を発表した。さらに、文大統領は韓国大統領としては初めてリー・シェンロン首相と共にボタニックガーデンを訪問し、蘭の命名式を行って昼食を共にする。蘭の命名式は、シンガポールが自国を訪問した主要外国首脳のために特別な種類の蘭を培養し、その首脳の名前をつける行事だ。