シベリア特措法が成立
塩川議員賛成討論 元抑留者に特別給付金
第2次世界大戦後に旧ソ連軍によってシベリア、モンゴルなどに抑留された元抑留者らに特別給付金を支給する「戦後強制抑留者特別措置法」(超党派 による参院議員提出法案・参院先議)が16日、衆院本会議で可決・成立しました。
同法は、主な内容として、元抑留者に対し抑留期間に応じ25万~150万円の特別給付金を支給すること、国として強制抑留の実態調査やその労苦を 伝える事業を行うことを定めています。
本会議に先立ち衆院総務委員会で採決され、日本共産党の塩川鉄也議員が賛成討論を行いました。塩川氏は、法案が給付金支給とともに抑留問題の真実 究明、抑留体験の次代への継承など総合的な取り組みを国が責任を持って実施することを定めており、大きな意義を持つと指摘。一刻も早い法施行と給付金支給 の具体化を求めました。
また、政府が作成する「抑留実態調査等に関する基本的な方針」に元抑留者の意見を反映させるとともに、高齢化の実態を踏まえ、その枠組みを早く明 らかにするよう強調しました。
南北共同宣言10周年
“戦争反対”掲げ集会
韓国 対話再開を呼びかけ
韓国と北朝鮮が初の南北首脳会談で共同宣言を採択してから10周年を迎えた韓国で15日、市民団体や野党が“戦争反対”を掲げて南北対話再開を求 める集会を各地で開きました。一方の政府・与党は、哨戒艦沈没事件を受け、北朝鮮への圧力を強める姿勢を変えていません。(面川誠)
南北首脳会談は、金大中(キム・デジュン)政権時の2000年と盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時の07年に開かれ、南北間の和解と協力を推進するこ とで合意。開城工業団地の操業などの経済協力が進んだほか、21回の閣僚級会談、35回の軍事会談が行われ、緊張緩和に寄与しました。しかし、08年に発 足した李明博(イ・ミョンバク)政権は北朝鮮の核開発放棄を優先、これに北朝鮮が反発し対話が中断しています。
ソウル市内では市民団体と4野党が共同で記念集会を開催。野党第1党・民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は「李政権は北朝鮮を屈服させる非 現実的な政策を追求し、南北関係を破たんさせた」と非難しました。
野党側は、2日の統一地方選挙で与党が大敗したことから、「政府・与党の対北朝鮮強硬策は国民に拒否された」として政府の政策転換を求めていま す。
これに対し、与党・ハンナラ党の金武星(キム・ムソン)委員長は15日、哨戒艦事件で北朝鮮を糾弾する国会決議に野党が賛成するよう要求。北朝鮮 との交流促進のためには、核開発の放棄が先決だとの立場を改めて強調しました。
金元大統領の側近で南北首脳会談の事前交渉に当たった林東源(イム・ドンウォン)元統一相はラジオ番組で、「ブッシュ前米大統領は、北朝鮮が核実 験を行った後、強硬路線を転換して危機を機会に変えた」と指摘。現在の危機を打開するためには、「南北首脳会談を通じて解決を模索するのが最善の方法では ないか」と述べました。
南北共同宣言 2000年6月15日の南北首脳会談で韓国の金大中(キム・デジュン)大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル) 労働党総書記が合意した文書。▽南北統一問題を民族同士で自主的に解決▽離散家族の再会など人道問題の解決▽経済協力を通じた民族経済の均衡的な発展―な どを盛り込みました。