日本軍「慰安婦」記録物2744件を世界記録遺産に申請
韓国、日本、中国など8カ国14の市民社会団体と英国戦争記念館
「日本軍慰安婦の声」という名称で申請完了
来年10月頃に最終決定の見込み
リラ・ピリピナ・ロラズセンターが提供したフィリピンの日本軍「慰安婦」被害調査記録(左)。大邱クァク病院が記録した「慰安婦」被害者の診療記録(右)=世界記録遺産共同登録のための国際連帯委員会提供//ハンギョレ新聞社
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韓国、日本を含む8カ国14の市民社会団体と英国の戦争記念館が、日本軍「慰安婦」関連記録物を世界記録遺産への共同登録を申請した。韓国政府も積極的 に推進してきた事案だが、韓国政府は慰安婦被害者関連の昨年の合意後、「民間団体が推進するもの」とこっそりと手を引いた。
日本軍「慰安婦」関連記録物のユネスコ世界記録遺産共同登録のための国際連帯委員会(以下、委員会)は1日、ソウル中区貞洞のフランチスコ教育会館で記 者会見を行い、先月31日に日本軍「慰安婦」関連資料2744件をユネスコ世界記録遺産本部に登録申請したと明らかにした。このうち韓国の集めた「慰安 婦」記録物は660件ある。
委員会チーム長のハン・ヘイン氏は「日本軍『慰安婦』被害者が勇気をもって声を上げたことが正義に向けた第一歩だったことを賛えるため、多くの国の多様な『慰安婦』資料を集め『日本軍慰安婦の声』という名称で登録申請を推進した」と説明した。
慰安婦被害者証言録音テープ=日本軍「慰安婦」関連記録物ユネスコ世界記録遺産共同登録のための国際連帯委員会提供//ハンギョレ新聞社
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委員会は、慰安婦関連記録物のユネスコ世界記録遺産登録を目的に昨年5月、韓国、日本、中国、フィリピンなど8カ国14の市民団体が中心となって結成された。
委員会が紹介した登録対象記録物は、歴史的記録物としては中国吉林省トウ案館(トウは木偏に当)所蔵の文書をはじめ、「1943~1944年(仮称)慰 安婦管理者の日記」などだ。「慰安婦」被害者記録物としては、証言テープ、録音ファイル、写真などがある。被害者調査物としては、大邱のある病院が記録し た「慰安婦」被害者の診療記録とフィリピンのリラ・ピリピナ・ロラズセンターが提供したフィリピンの日本軍「慰安婦」被害調査記録も含まれた。
1943~1944年(仮称)慰安婦管理者の日記=日本軍「慰安婦」関連記録物ユネスコ世界記録遺産共同登録のための国際連帯委員会提供//ハンギョレ新聞社
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中国吉林省トウ案館所蔵文書=日本軍「慰安婦」関連記録物ユネスコ世界記録遺産共同登録のための国際連帯委員会提供//ハンギョレ新聞社
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委員会は、ユネスコの登録小委員会が提出資料を検討し、諮問委員会の審査を経て2017年10月頃にユネスコ事務総長が世界記録遺産登録の可否を最終的に決めると見ている。
「慰安婦」記録物の世界記録遺産登録は、昨年の12.28韓日交渉妥結以前から女性家族部が公然と掲げた推進事業だったが、交渉妥結後に「民間団体が推進するもの」と距離をおいている。12.28合意には「国際社会で慰安婦問題に関して相互非難や誹謗することを自制する」という内容が含まれている。委員会のシン・ヘス団長は「『慰安婦』関連記録物の世界記録遺産登録申請は政治的懸案ではない」として「人類と平和のために保存すべき『慰安婦』記録物を集めたもので、今後日本の資料が追加されることを希望する」と強調した。
パク・スジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )