羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

石に咲く華!?

2006年06月05日 08時53分32秒 | Weblog
 野口三千三記念コーナーに座っていて、楽しいことがもうひとつある。
 それは、皆さんが下の階で求めてくる「石」の数々を見せていただけることだ。
 
 昨日は、雲母にルビーが入っている? いやいや ルビーに雲母が板状に何層も挟まっている、というか、どっちの言い方でもいいのだが、素敵な石を目にすることができた。
 雲母はグレーがかった艶やかでシックな色。そこにルビーの深紅の粒が美しい。長年にわたってミネラルフェアに通っておられる方だけに、いい買い物をなさった。しっかり交渉して値引きまでしてもらってゲット! さすがだ。

 混雑のなか、いい店でいいものに出会うのは、勘が働かないとはじまらない。それには年季がいるものだと、その雲母+ルビーを見ながら思った次第。

 中にはミネラルフェアの熱気に舞い上がっておられる方もある。そんな人を見かけると、かつての自分の姿を重ね合わせて、暖かい目で見守ってしまう。
 何を隠そう、野口先生の興奮は覚めやらなかった。最後のミネラルへの興奮は、池袋・サンシャインで行われた12月のミネラルショーだった。このときはさすがにお疲れの色が濃かった。

 隕石・鉱物・化石といった石には、人を魅了してやまない力が内部に潜んでいる。その理由は、論理では説明できない。
 会場に一歩足を踏み入れると、まず、そのエネルギーに圧倒される。はじめのうちは、何が何やら見分けがつかなくて、息苦しくなる。そこで諦めてしまうか、もっと明らかにみようと勇気をだして一歩踏み込むのかが別れ道かもしれない。
 その点、子どもは違う。ストンと石になかにはまり込んでいく。

 先日も、野口コーナーでこんなことが起こった。
 宝石学の近山晶先生がお持ちになった3Dによる「結晶系」87枚のカードを、全部見届けようとした7歳の少年がいた。応対をしてくれた方が、少年期に石に目覚めた男性で、地学への造形が深かったこともあって、安全にその少年を誘導してくださった。そうでないと、のめりこみ過ぎて危ういものがあったのだ。

 人間の集中力は、決してマイナスではない。しかし、ここで大切なことは指導力なのだと、少年とのやり取りを傍から見ながら感じたのだった。
「人が人を育てていくのだなぁ~」
 当たり前のことを思った。
 しかし、このような場を大切にされた野口先生の姿勢を改めて思い返していた。
 
 さて、そうこうしていると、それぞれがその人らしい石を手に嬉しそうに戻ってくる。その逆に、それまで抱いていたその人らしさとは全く正反対の石を携えてくる人もある。予想はつかないところが面白いし、思いがけない「その人らしさ」を発見したりするのも、こうした場に座り続ける面白さでもある。

 今週末、朝日カルチャー土曜クラスは、話に花が咲くに違いない。
 「石の華」がね…、これがまた楽しいのよね!
コメント
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