羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

微粒子は美粒子?

2006年06月10日 20時28分15秒 | Weblog
 ミネラルフェアの後、はじめての朝日カルチャー・土曜日のレッスンが終わった。
 今日は、今までに手に入っていた「雲母」および「雲母を伴う鉱物」をいくつかもっていった。
 無機界と有機界をつなぐ無機物質としての粘土鉱物に関心を持って、その視点から「雲母」をみていると、他の鉱物や宝石といっしょになっていることがよく分かる。関心の強さが逆転してしまったのが、おかしかった。

 4月に読んだ『生命の起源 地球が書いたシナリオ』中沢弘基著からはじまって、粘土鉱物の特徴を学んでいくうちに、野口先生が体操に求められたことの輪郭が次第にはっきりしてきた。

 とくに粘土鉱物の「スメクタイト」の水分散液は、特徴的なチキソトロピー、日本語に訳すと「揺変性・流動特性」といわれるが、振るとゾル状態になり、静置するとゲル状態に可逆的に変化するという、『原初生命体としての人間』第二章をイメージ化するのに、具体的な状態を示すことがわかった。

 粘土鉱物の親水性・膨潤性・揺変性は、無機物を有機物につないでいく鍵になることも頷けそうだ。「スメクタイト」自体は、粘土中に含まれる鉱物の一種だが、これほど細かい物質は見たことなかった。0・2㎛以下の粒子を粘土とするのだから、細かくて当然なのだが、あまりの細かさに驚かされる。
「細かくなればなるほど表面積は大きくなる」
 それが意味するところを、実験して見せたい。

 いよいよ野口体操の真髄へと一歩ずつ忍び込むことになりそうだ。
 難解な『原初生命体としての人間』の言わんとするところを、できるだけ実感で捉えていくには、どうすればよいのか、皆さんのお知恵と知識と技術と、あらゆるもの・ことを動員して深めていきたいと思っている。

 そしてミネラルフェアは、ここまでやってくる足がかりをつけてもらった貴重な「場」だと思っている。
 野口先生が、「粘土鉱物」と中沢氏の本をご存知だったら、慌てふためき突進されたに違いない。
 生きるということは、日々、発見がある。どんなささいなことも大切にしなさい!という先生の言葉が、耳の奥で鳴っている。
 
 今日は、「雲母(きらら)は野口体操を象徴する鉱物だ」と板書してしまった。
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